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20. 付録 D - 新しいコンピュータを買うときのお奨め

Wade W. Hampton 曰く (編集: wh (原著者)): ラップトップやネットワーク・コンピュータのような 低電力のコンピュータを買いましょう。 デスクトップのシステムほど電気を食ったりしないのが普通です。 例えば、太陽電池で Corel/Rebel Netwinder を使っている人が WWW のどこかにいました。 「Energy Star」デスクトップに今だ 300W もの電源が付いていて、 10 ワットかそこらで動く Netwinder のようなコンピュータよりも はるかに多くの電気を食っているのは変なことだと思います。 (Energy Star の狙いはコンピュータ機器が使われていない間の電力消費に あるので、これはこれで首尾一貫しているのですが)

たぶん、Energy Star システムよりも桁外れに少ない電気しか食わないような コンピュータには、「Energy Miser (訳注: エナジー・ケチー?)」 (とかなんとかいう) 新しいくくりがあるべきなんでしょう。

ディスプレイの消費電力を抑えたいなら、 CRT ではなく LCD モニタを購入する手があります。 普通のモニタが 100 ワット台の電力を食うのに対し、 LCD モニタは 30 から 40 ワットしか使いません。 LCD モニタの値段は同等の普通のモニタに比べいまだ 2-3 倍はしますが、 LCD がより広く使われるようになれば、価格も落ちてくるでしょう。

どんなコンピュータを買うにせよ、 ハードウェアが APM 準拠であること、放射線量が低いことを確認しましょう。 TCO, DPMS または Energy Star 準拠のモニタを買いましょう。

R Horn <rjh@world.std.com> は書いています: 「個人的に見つけたんですが、 Lawrence Berkeley Labs - LBL の Web サイトは、エネルギー効率の高い機器に関する最高の情報源です。 コンピュータだけでなく多くの種類の装置について、 いかにしてエネルギー消費を抑えるか、相当な細部に踏み込んでいます。 関連サイトの良いリンク集もあります。Energy Star プログラム は米国環境保護局によって定義されていますが、その Web サイトも そこにあります。 これまで、すべての Energy Star 規定は、 通常の利用に変更や制限を要求することなく、エネルギー消費を抑える と定義されています。 アイドル状態の装置 (コンピュータ, テレビ, 電子レンジ,...) によって消費されている驚くべき大量の電気がありますし、 連続稼働が必要な機器 (非常出口のサイン, 交通信号, ...) によっても 不必要に大量消費されています ユーザに性能への妥協をなんら強いることなく このエネルギーが節減できるならば、まずこれを念頭にあげるべきでしょう。

LBL の Web のどこかに、 いろんな PC の実際の電力消費量の数値が挙げられています。 300W 電源はとくに誤った印象を与えます。どんなプログラムを走らせているか、 ハードディスクを止められるかによって実際の電力消費は異なります。 稼働中の純粋な消費は通常 50 から 75W の範囲です。 システムがアイドル状態になれば、消費電力は著しく落ちます。

NetWinder は素晴らしいマシンですが、運用上の妥協を強いられます。 CPU のピーク性能はかなり低く、 オペレーティング・システムは Windowsではありません。他にも制限があります。 最も近い比較対象は普通のラップトップ PC になりますし、 太陽電池パネルの平均的な出力はとても低いので、 一般的に、小さめな太陽電池を使うことになるでしょう。 これで、コストと電力消費のトレードオフというものがわかるでしょう。 出そうと思えばデスクトップのマシンと同じ性能を出せますが、 低電力消費にてこれをやるには、コストが二倍から三倍かかるわけです。

(個人的には Psion を使っています。 電力が 200 mW しか要らない、とっても遅いコンピュータです。 ROM に入る要素だけでやっていけるとすれば、Linux だって走ります)

Energy Star の規定制定に関する大きな議論は、 全体的にみて、以下のどちらがより大きな利益をもたらすかにかかっています。 小さな取るに足らないコストで 市販されている機器のほとんどすべてに改善をもたらされるか、 もっと高いコストをかけた、もっと大きな改良? 高いコストに対して購買者はどう反応するのか? これまでのコンセンサスは、 大量のマシンをわずかなコストで改良することは、 少数のマシンを高コストで改良するよりも賢い、というものです」


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