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1. イントロダクション

Emacspeakはシンセサイザーを使いユーザーにフィードバックする Emacsのサブシステムです。

スクリーンリーダープログラムはシンセサイザーを使ってそのフィードバックを 視覚障害者に提供してくれます。 このようなプログラムはここ十年にわたって商用的に入手することができました。 これらのほとんどがDOS上で走るもので、Windowsプラットフォームに関しては数え るほどしかありません。しかしUNIX環境でのスクリーンリーダーはその不在が目立 ちます。

これは多くの視覚障害者コンピューターユーザーが「DOS障害(DOS-impaired)」 というさらなるハンディキャップに直面することでもあります。これは深刻な 問題です:-)。

Emacspeakは基本的なスピーチアクセスを提供するサブシステムです。Emacs上で しか使えないという欠点はあります。ですが、Emacsでできないことというのは 数少ないことなので、欠点というほどのものではないでしょう:-)。シェルを 開いてコマンドを実行しその結果を調べることもできるし、その出力結果は スクロールして見ることもできます。Emacsはあるコマンドを使って特殊なモード を提供してくれます。例えば、コンパイラの表示したメッセージからエラーを 特定したりエラーメッセージを表示したままソースを編集したりできます。 またデバッガを起動して、プログラムカウンタに一致するソースコード の箇所を開いたままにして編集したりもできます。

Emacspeakはとても意義深い長所があります:Emacs内で実行されるので、

この意味でもEmacspeakはただのスクリーンリーダーではなく、スピーチ出力を 行うサブシステムだとも言えます。通常のスクリーンリーダーは画面に表示され ていることを読み出すだけで、視覚的に配置された情報についてはなにもしません。 一方Emacspeakはファーストクラス出力モードとして読みだしを取り扱います (聞いた時に理解しやすい仕方で情報を読みだす)。

Emacspeakのの初期バージョンはより有力で柔軟なEmacsの読みだしサブシステムを 提供しています。読み出し方の設定用モジュールが追加されるのがおいおい明らか になると思います(e.g. 与えられたバッファのメジャー/マイナーモードに依存する など)。Emacspeakによって提供される基本的な読み出しは事実上ほとんどのEmacs パッケージで使えます。また特定のパッケージを追加することでよりスムーズな動作 にすることもできます。これはパッケージによる拡張がカレントテキストを有効にさ せるためです。

Emacspeakはemacsのみで動きますが、emacsはls, cd, rm,adduserといった コマンドラインインターフェースをもったプログラムも使えます。 画面エスケープシーケンスを使っているlessやlynxでさえ走らせられます。 (etermモード)。etermはEmacsコマンド M-x term で起動することができます

Emacsは大きなプログラムですがメモリ(RAM)がなければならないというわけでは ありません。Linuxは仮想メモリを持っているのでスワップパーティション を使うことができます。その結果プログラムは(現在使われていないプログラムの 一部は)スワップアウトできます。emacsをほどよく使うにはRAM、スワップそれぞれ 8MBあるとよいでしょう。

このドキュメントは以下の用途に限定しています。

Linuxで使える技術の使用方法、特にLinuxで通常対応していないものを使えるよう にする方法については「Linux Access HOWTO」で取り扱っています。 もしこのドキュメントを他のドキュメントで使いたい、また内容について指摘 したい場合は著者まで連絡下さい。 EmacspeakはT. V. Raman raman@adobe.comによって書かれました、また http://www.cs.cornell.edu/Info/People/raman/emacspeak/emacspeak.html にページがあります。 コンピューターハードウェア、Unix ユーザーコマンド、Unix システムアドミニ ストレーション、Emacs、Emacspeakはそれぞれしっかりしたシステムです。 ここでこれらを一度に学ぼうとするのは負担のかかることなので、初心者の方 は一度に全てを学ぼうとせず一つのシステムを学んでから次のステップに進むこと をお奨めします。


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