DOSマシンではスピーチシンセサイザーとターミナルエミュレータープログラム を必要とするわけですが、ダイアルアップする代わりにLinuxの稼働しているローカル コンピューターへのターミナルとして使った方がよいでしょう。 ここであなたのマシンにLinuxをインストールする必要があります。 Linuxに詳しい知り合いを説得して手伝ってもらうこともできます:-)が、 スピーチフィードバックを使って全過程を自分でインストールすることも可能です。
はじめに バックグランドとなる概念をいくつか説明します。シンプルなUNIX システムでもカーネルとrootファイルシステムが必要です。カーネルはすべての デバイスドライバと リソース(マネージメントファンクション)を取り込みます。 ハードディスク,フロッピーディスクに属するファイルシステムの一つの考えな のですがインストール中はカーネル、ファイルシステムはRAMにあります。Linuxは 普通カーネルイメージを「ブートフロッピー」と呼ばれるフロッピーディスクに 書き込むことでインストールします。ramdiskのRAMにこれらが設定されます。
こうして2枚目のフロッピーディスク「ルートフロッピー」からのデータで 満たされます。2つのディスクの読み込みが終了した後は、rootとして ログインしインストールを完了させる必要があります。一般ユーザー(sighted user) はシステムコンソールから(つまりコンピューターのキーボード/ディスプレイから) ログインします。視覚障害者にとってはここがネックになっています。 しかしUNIXはマルチプロセッシングなオペレーションシステムであることを忘れては いけません。これは基本的なUNIXシステムの特徴です。小さなramdiskで実行してい てもシリアルポートに接続されたターミナルからのログインもサポートしているので、 視覚障害者ユーザーも(インストールを)問題なく使うことができるのです。
二つのコンピューターを接続するために「null modem」を使うことができます。 これはグランドとグランドを接続したシリアルケーブルで、一方の" receive"に"end"を送信します。 DOSアプリケーションの "LapLink"はこれで十分ちゃんと動きます。 各"end"に9 pinと25 pinのコネクタがあるのでちょっと厄介です。 もしケーブルをチェックしたいなら、以下を参照して下さい。
agetty
によって
操作されています。最近のバージョンでは-L
スイッチをサポートしています
(訳注:このオプションはシリアルラインが"carrier detect signal"
をセットしていない時に便利です)。
Slackware 3.0のバージョンでもそうですが、3.0とそれ以前のバージョンでは
インストール時のrootディスクはこれを行っていません。しかしPat Volkerding氏
は3.0以降のバージョンではroot disks はagetty
のバージョンアップを保証し
てくれています。ぜひ「最新のSlackwareの`Emacspeak」ルートディスクを使って下
さい。[
Emacspeak with Earlier Slackware Releases]
(訳注:agetty => /etc/inittab
; virtual console やシリアル接続で
使われる。"Serial-HOWTO" 参照)。
CDROMあるいはFTPサイトからダウンロードしたドキュメントを読んで下さい。
そして、現在のハード(IDE or SCSI, CDROM driver, etc.)環境に適した
カーネルのブートディスクを選んで下さい。著者は
InfoMagic September 1996 "Developer's Resource" set of six CDROMS
を使ってSlackware 3.1をセットしています。
slackwa、slakware
二つのディレクトリがあります。(このスペルの違いに注意
して下さい。はじめにslackwarにアクセスしつぎにslakwareにアクセスします)。
ブートフロッピーのドキュメントは \bootdsks.144\にあります。ブート イメージをフロッピーに書き込むためのDOSプログラム(訳注:rawrite) のコピーが同ディレクトリにあります。DOSでCDROMがDドライブにあると 仮定して、以下のコマンドでAドライブのフロッピーに書き込みます。
C>m:
M>cd \bootdsks.144
M>rawrite scsinet.s a:
同様にして "text" rootディスクを書き込みます。
C>m:
M>cd \rootdsks
M>rawrite text.gz a:
もしフロッピーからインストールしているなら、つぎのようにしてEmacspeak
パッケージをフロッピーに書き込みます
C>copy m:\contrib\emacspea.tgz a:
実際のインストールは以下のようなプロセスで行います:
null modem を使い DOSの走っているコンピューターに接続し、スピーチ出力 を(以下"DOS マシン"と呼びます)Linuxをインストールしたマシン (以下"Linux マシン")に装備します。
DOSマシンをブートし、ターミナルエミュレータープログラムを起動します。 9600ボーレート, NOパリティ,8bit, 1 stop bitにセットします。
Linuxマシン側でブートディスクを挿入しブートさせます(電源を切るか リセットボタンあるいは、ソフトリブートさせます)。そしてディスクを読み込み ビープ音が鳴り以下のメッセージ(-- begin quote以下)でストップします。
(注意:以下のように、インストールディスクからのテキストラージブロック が " -- begin quote " から " -- end quote " まで 引用されています。この引用の終りにスキップして下さい。「--」の二文字をサーチ するとスキップ先が見つかります。また今後引用の箇所でこの「--」の二文字を使い ます)
-- begin quote 引用開始
Welcome to the Slackware96 Linux (v. 3.1.0) bootkernel disk!
If you have any extra parameters to pass to the kernel, enter them at
the prompt below after one of the valid configuration names (ramdisk,
mount, drive2)
Here are some examples (and more can be found in the BOOTING file):
ramdisk hd=cyl,hds,secs (Where "cyl", "hds", and "secs" are the
number of cylinders, sectors, and heads
on the drive. Most machines won't need
this.)
In a pinch, you can boot your system with a command like:
mount root=/dev/hda1
On machines with low memory, you can use mount root=/dev/fd1 or mount
root=/dev/fd0 to install without a ramdisk. See LOWMEM.TXT for
details.
If you would rather load the root/install disk from your second
floppy drive: drive2 (or even this: ramdisk root=/dev/fd1)
DON'T SWITCH ANY DISKS YET! This prompt is just for entering extra
parameters. If you don't need to enter any parameters, hit ENTER to
continue.
boot:
-- end quote 引用終りここでenterキーを押します。 エントリー後、Linuxマシンはフロッピーを読み込みカーネルのブートが 始まります。 " Loading ramdisk... " ,と出てきます。
カーネル中の各デバイスドライバが表示されます。私が使っているディスクは
" bare.i " をdd
したブートディスクです。shift-page up
でスクロールできます。私のマシンではブート時のメッセージは以下のようになり
ました。
-- begin quote 引用開始(起動時)
Loading ramdisk.....
Uncompressing Linux...done.
Now booting the kernel
Console: colour VGA+ 80x25, 1 virtual console (max 63)
Calibrating delay loop.. ok - 35.94 BogoMIPS
Memory: 23028k/24768k available (688k kernel code, 384k reserved,
668k data)
Swansea University Computer Society NET3.035 for Linux 2.0
NET3: Unix domain sockets 0.12 for Linux NET3.035.
Swansea University Computer Society TCP/IP for NET3.034
IP Protocols: ICMP, UDP, TCP
VFS: Diskquotas version dquot_5.6.0 initialized
Checking 386/387 coupling... Ok, fpu using exception 16 error reporting.
Checking 'hlt' instruction... Ok.
Linux version 2.0.0 (root@darkstar) (gcc version 2.7.2) #1 Mon Jun 10
21:11:56 CDT 1996
Serial driver version 4.13 with no serial options enabled
tty00 at 0x03f8 (irq = 4) is a 16550A
PS/2 auxiliary pointing device detected -- driver installed.
Ramdisk driver initialized : 16 ramdisks of 49152K size
hda: IBM-DBOA-2720, 689MB w/64KB Cache, LBA, CHS=700/32/63
ide0: at 0x1f0-0x1f7,0x3f6 on irq 14
Floppy drive(s): fd0 is 1.44M
Started kswapd v 1.4.2.2
FDC 0 is a 8272A
Partition check:
hda: hda1 hda2 hda3
VFS: Insert root floppy disk to be loaded into ramdisk and press ENTER
-- end quote 引用終り(起動時)
もちろんマシン、ハード構成によってメッセージは異なります。つぎに "text" rootdiskを入れてENTERキーを押して下さい。 読み込み後、コンソールには以下のメッセージが表示されることでしょう。
-- begin quote 引用開始
RAMDISK: Compressed image found at block 0
JAVA Binary support v1.01 for Linux 1.3.98 (C)1996 Brian A. Lantz
VFS: Mounted root (minix filesystem).
INIT: version 2.60 booting
none on /proc type proc (rw)
INIT: Entering runlevel: 4
Welcome to the Slackware Linux installation disk ,version 3.1.0-text!
### READ THE INSTRUCTIONS BELOW CAREFULLY! ###
You will need one or more partitions of type "Linux native"
prepared. It is also recommended that you create a swap partition
(type "Linux swap") prior to installation. Most users can use the
Linux "fdisk" utility to create and tag the types of all these
partitions. OS/2 Boot Manager users, however, should create their
Linux partitions with OS/2 "fdisk", add the bootable (root) partition
to the Boot Manager menu, and then use the Linux "fdisk" to tag the
partitions as type "Linux native".
If you have 4 megabytes or less of RAM, you MUST ACTIVATE a swap
partition before running setup. After making the partition with fdisk,
use:
mkswap /dev/<partition> <number of blocks> ; swapon /dev/<partition>
Once you have prepared the disk partitions for Linux, type "setup" to
begin the installation process.
You may now login as "root".
slackware login:
-- end quote 引用終り
ログインプロンプトを表示したプログラムはagettyと呼ばれます。
Slackware 3.1 root disks
はコンピューター自身のキーボードからのみ
ログインできます。シリアルポートからのログインができるように環境を
整える必要があります。Linuxマシンのキーボードから下に書いた
4行を音声フィードバックなしでタイプする必要があります。
もしリターンを押す前にミスがあったらバックスペースキーで消せます。
Ctrl-C
を押せば中断することもできます。
root (ログイン
cat >>/etc/inittab (/etc/inittabに一行追加
s1:45:respawn:/sbin/agetty 9600 ttyS0
control-D
init q (inittabの変更を有効にする
ここでも前述した操作が行えます。
はじめにrootとタイプしリターンすれば(パスワードなしで)ログイン
できます。つぎに/etc/inittab
に一行を追加して下さい。
cat >>/etc/inittab
s1:45:respawn:/sbin/agetty 9600 ttyS0
各行でリターンを押しCtrl-D(end of file)
で抜けます。(注:2行目終り
のS(ttyS0)は大文字であることに注意。他は小文字です)。Linuxマシンの第一
シリアルポート(DOSではCOM1、UNIXでは/dev/ttyS0
)をログインの監視に
使うということをプログラムに教えています(agetty
がシリアルポートを監視
する)。第二のポートを使う場合はttyS1に書き換えてやります。そして、
init q
と入力して/etc/inittab
を再度読み込ませます。
ここでDOSマシンはログインプロンプトを表示します。DOSマシンではrootと入力 してインストールを終了させてください。次にすることはswapパーティションの作成 です。 もしSlackwareインストールディスクのプロンプトが出ない場合は 以下の方法を試してみて下さい。
AT
と入力して応答が戻って来るか確認してくだ
さい。モデムから"OK" の応答があるはずです。root
でログインできます。
他のユーザーでも同様にインストールを完了させておいて下さい。
もちろんemacs, tcl,tclX
といったパッケージもインストールしておいて
下さい(訳注:tclはEmacspeakパッケージにあるemacspeak-tcl.el, dtk-tcl.el
などで使います)。
インストールスクリプトがブートフロッピーを作るかどうか聞いてきます。
これは作っておいて下さい。これはLinuxを起動させる確実な方法です。
lilo
("Linux loader"の省略形)やloadlin
("
load linux"の省略形)をインストールしたいと思います。liloはインス
トールスクリプトでインストールされます。
loadlinはDOSからLinuxを起動するDOSのプログラムです。
loadlinはDOSのパーティションにインストールし、カーネルファイルを同じ
パーティションにコピーして下さい。
例えばloadlin zimage root=/dev/hda3 ro/
のようにコマンドを実行することで、DOSから起動できます(ここではカーネル
が同じディレクトリにあるとして実行しています。カーネルのバージョンの名前
にしたサブディレクトリを作りカーネルを保存しておくと便利でしょう)。
Slackwareセットアップスクリプトがメインのインストールを終了した後、
Ctrl-Alt-Del
でリスタートするように言ってきます。これを行う前に
emacspeakをインストールしておいて下さい。contributedにあります。
もしInfoMagicのCDならslackwar/contrib以下にあります。cdromからLinux
をインストールしていてセットアップスクリプトが/cdromにCDROMを
マウントしている時、以下のようにしてemacspeakをインストールしてください。
# installpkg /CDROM/slackwar/contrib/emacspeak.tgz
もしフロッピーディスクからインストールする場合は、
# mount -tmsdos /dev/fd0 /floppy
# cp /floppy/emacspea.tgz /tmp/emacspeak.tgz
# installpkg /tmp/emacspeak.tgz
とします。
フロッピーディスクが入っていない状態でインストールしないで下さい。
というのもDOSファイルシステムは"full filename"
(訳注:ロングファイルネーム)をサポートしておらず、コマンドinstallpkg
はパッケージの名前をemacspeaと解釈してしまい、パッケージレコードにその名前を
記録してしまいます
(訳注:Slackwareでのパッケージ情報 /var/adm/packages)。
もしDoubleTalkあるいはLiteTalk speech synthesizer
を持っている時は
emacspeak-dt パッケージもインストールして下さい。
新しいブートフロッピーでLInuxマシンを(DOSマシンを接続したまま)リブート
して下さい。DOSマシンにログインプロンプトが出ます。Celebrate!
つぎはemacsとUnix system administrationを学習する必要があります。
システムアドミニストレーションは必要に応じて習得します。はじめに
ユーザー(あなた自身)の追加を行い、プログラムのインストールなどを必要に
応じてします。例外はバックアップで必要になるまえに
習得しておきましょう。
知っておくべきプログラム(コマンド)は以下です。
新しいユーザーの登録。 ホームディレクトリを作り/etc/passwdにエントリする。
ファイルの集まりから成る(.zip
ファイルに似ている).tar
ファイルの
作成、解凍。アーカイブの中身を見るにはtar -tf foobar.tar
などとします。
より詳しく表示させるにはtar -tvf foobar.tar
とします。
解凍はtar -xf foobar.tar
とします(訳注:tarだけでは圧縮はされません。
-zオプションを付けるとgzip圧縮もしてくれます。また環境変数GZIP
に-9を
設定しておくとよいでしょう。詳細はman tar
してください)
ファイル、ディレクトリのパーミッションの変更
ファイル、ディレクトリの所有権の変更
連続してディレクトリを検索。例えば find . -name '*alpha*' -print
とすると、カレントディレクトリ(.
)で文字列alpha(-name '*alpha*'
)
を含むファイルを検索しパスと名前を表示(-print
)します。GNU find
では-printはなくてもよいです。
ファイル、サブディレクトリの占めるディスクスペースを表示。 "holes"のファイルに関しては、ファイルの長さよりも小さく表示され ます。
ファイルシステムの容量、残量、マウントされてる場所を表示
ファイルシステムの表示。どこにマウントされているか やマウントフラグについて表示をします。
インターネットプロトコル(IP)ネットワークインターフェースの 設定とチェックを行う(イーサーネットカード、SLIP、PLIPを含む)。
IPルーチンテーブルの表示と設定。
ネットワークの接続状態をチェック。
ネットワークを介したファイル転送。
近似的なgrep検索。正確に文字列がマッチしなくてもよい(ファジーストリング サーチともいう)。
インターネットファイルアーカイブの検索
UNIXとDOSフォーマット間のテキストファイルを変換。
たくさんあるファイルのファジーストリングサーチ(agrepを 使用している)。
テキストベースのWEBブラウザ。
Unix system administrationに関連したWEBページがあります(以下参照)。
一般的な情報: http://www.ensta.fr/internet/unix/sys_admin/ or http://www.sai.msu.su/sysadm.html
Unixシステムアドミニストレーションのチュートリアル: http://www.iem.ac.ru/sysadm.html
UnixWorldオンラインマガジンのホームページ: http://www.wcmh.com/uworld/
Unixシステムアドミニストレーションチュートリアルのインターネットエッセンシャル http://www.greatcircle.com/tutorials/ieusa.html
インターネットで入手できるUnix goodiesのポインタ http://www.ensta.fr/internet/unix/
インターネット上で入手dできる Unixシステムアドミニストレーション"goodies" http://www.ensta.fr/internet/unix/sys_admin/