本文書では通常の PC 用モデムを扱い、主として ISA バスのものを扱いま す(ただし、PCI バスのモデムにも適用できるはずです)。
[訳注 : JF プロジェクトによる日本語訳 ADSL-mini-HOWTO, Cable-Modem-HOWTO ]
PCMCIA のモデムおよびシリアルカードについては、PCMCIA-HOWTO をご覧
ください。(モデム経由でインターネットへ接続する際に用いる) PPP、そして
通信プログラムに関しては、この HOWTO では扱っていません。通信プログラ
ムの使い方のうち、モデムが正常に機能しているか、あるいは正しく電話をか
けられるかをテストする方法のみを示します。モデムを用いてインターネット
へ接続したいのなら、PPP を設定する必要があります。PPP に関しては (改定
中の PPP-HOWTO を含む)多くの文書があります。そのうちいくつかは
/usr/doc/ppp
などのディレクトリで見つかるかもしれません。
[訳注 : JF プロジェクトによる日本語訳 PCMCIA-HOWTO, PPP-HOWTO ]
Copyright (c) 1998-9 by David S. Lawyer
この文書をあらゆる形式で自由に複製し配布(販売あるいは贈与)してください。 訂正および小さな修正はメンテナにご連絡ください。また、本文書の派生著作 物を作り、それを配布してもかまいません。:
翻訳だけでなくそれ以上の作業を行おうと考えているのなら、現在のメンテナ とあなたの計画について話し合ってください。
あなたを故意に欺こうとしたわけではありませんが、おそらく本文書にい くつかの誤りがあるでしょう。この誤りを私に教えてください。本文書はフリー の文書ですから、私あるいは以前の著者に、文書のいかなる誤りについても法 的な責任がないことは明らかなはずです。
ある単語が登録商標であるとしても、それがだれに帰属するものかは文脈 上明らかなはずです。例えば、``MS Windows'' (あるいは単に ``Windows'') という表記は ``Windows'' が Microsoft 社 (MS) の登録商標であることに配 慮したものです。``Hayes'' は Microcomputer Products Inc. の登録商標で す。
[訳注 : 英文の原著には以下のように書いてあります。
著者は ``winmodem'' を MS-Windows でしか動かないモデムを指すときに 使い、登録商標の意味では用いません。
``Winmodem'' は 3Com 社の登録商標です。
原著では、登録商標を ``Winmodem'' と大文字で表記し、一般名詞は ``winmodem'' と小文字で表記して区別しています。しかし、ややわかりにく くなってしまいます。そこで日本語訳では、原著で ``winmodem'' と表記して いる一般名詞は「ソフトウェアモデム」と書き換えています。]
本文書の version 0.0 は、大まかに言って、次のような経緯で作成され
ました。本文書の素材の約 3/1 は Greg Hankins さん
mailto:gregh@cc.gatech.edu の Serial-HOWTO v. 1.11 から(許可の
もと)直接頂いたものです。他の約 3/1 は Serial-HOWTO を修正したものです。
残りの 3/1 は著者の David S. Lawyer
mailto:dave@lafn.org
が新しく書いたものです。
[ 訳注 : 訳者も JF の Serial-HOWTO から多くの訳を頂きました。翻訳された永田靖人さん、 藤原輝嘉さん、ありがとうございます。]
どのモデムを買うべきかの相談や、特定のモデムが Linux で動作するか どうかの質問などの目的で著者に尋ねないでください。 (内蔵)ソフトウェアモデム 節の巨大なリストをご覧ください。また、 この HOWTO を精読してもまだ設定できない場合以外は、どのようにモデムを 設定するのか著者に尋ねないでください。
事実、意見、論法、綴り、文法、明快さ、あるいはリンクなどのいかなる誤り に関しても、著者までお知らせください。しかしまず、あなたが読んでいる文 書の日付が 1 ヶ月以上古かったら、最新のバージョンかどうか、まず御確認 ください。本文書に関してあなたが思ったことはどんなことでも、著者までお 送りください。
[訳注 : 日本語訳に関しては、さいとうかん
<can-s@geocities.co.jp>
および JF プロジェクト
<JF@linux.or.jp>
までご連絡ください。]
(著者もまだ勉強中ですが) モデムをとりまく環境は急速に変化している ので、この Modem-HOWTO の新しいバージョンはほぼ毎月出ています。あなた の抱えている問題が、本文書の最新バージョンでは解決できるかもしれません。 最新バージョンは LDP のミラーサイトで閲覧、ダウンロードできます。ミラー サイトの一覧は以下の Web ページで見ることができます。 http://metalab.unc.edu/LDP/mirrors.html 最新バージョンの作成日を手短かに確認したい場合は http://metalab.unc.edu/LDP/HOWTO/Modem-HOWTO.html を見て、今読 んでいるバージョン v0.08, 1 Jan. 2000 とどちらが新しいか比べてください。
[訳注 : 最新の日本語訳は Modem-HOWTO にあります。]
モデムとはデジタル信号用に設計されていない、通常の電話回線を使って デジタル信号を送る装置です。もし電話回線がすべてデジタル化されているの なら、モデムは必要ありません。モデムはあなたと世界中のコンピュータを接 続し、通信することを可能にします。モデムを使う際には、モデムを正しく扱っ て電話をかけるために、通常は通信プログラムや Web ブラウザなどを使いま す。上級のモデムユーザはモデムに電話をかけてコンピュータを使えるよう設 定できます。これを「ダイヤルイン」と呼びます。
PC のモデムには外付けと内蔵の2種類のタイプがあります。外付けモデムは
PC 外部に設置します。一方、内蔵モデムは PC の中にあるため、外から見る
ことができません。外付けモデムは PC の背面にある「シリアルポート」とし
て知られているコネクタへ接続します。内蔵モデムはコンピュータの内部に挿
入するボードで、内部に(見えない)シリアルポートがあります。詳細な比較に
ついては、
外付けと内蔵 をご覧ください。内
蔵モデムを使用する際には、(そのモデムだけが使用し、他のモデムやプリン
タが使用しない)シリアルポートとして検出されます。Linux においては、シ
リアルポートは ttyS0
, ttyS1
などの名前が付いています(DOS や
Windows では、通常 COM1, COM2 にそれぞれ対応します)。
着脱可能なコネクタで将来はモデムとともに使用するかもしれない、 ``Universal Serial Bus (USB)'' とシリアルポートは全く異なったものです。 モデムとシリアルポートに関する詳細は モデムと シリアルポートの基礎 をご覧ください。
Fax 送信機能を備えたモデムもたくさんあります。(これを FAX モデムと呼びま す。) Fax の項目に FAX ソフトウェアの一覧がありま す。ボイスモデムは音声自動応答装置のように動作し、ボイスメールを扱えま す。 ボイスメール の項目をご覧ください。
ストレートケーブルあるいはモデムケーブルを用いて、モデムと PC の使っ
ていないシリアルポートを接続します。多くの場合、シリアルポートの名前が
COM1 は ttyS0
、COM2 は ttyS1
、などになることを知っておいてく
ださい。ここで、シリアルポートに関する BIOS の設定を確認する必要がある
かもしれません。モデムへ電力を供給するために、電源コードを接続します。
更なる説明に関しては
すべてのモデム をご
覧ください。
(PCI バスに関しては
PCI バスはまだサポートさ れていません および
PCI モデム をご覧くださ
い。) モデムに MS Windows 上でのみ動作すると書いてあったなら、あなたは
不運です。シリアルポートが既に2つあるなら、このボードを3番目のシリアル
ポート (ttyS2
= COM3) にします。未使用の IRQ を探してください。以
前は IRQ5 を内蔵モデムに使用しましたが、今ではサウンドカードが使用して
います。内蔵モデム上のジャンパ(あるいはそれに類するもの)を使い、未使用
の IRQ へ設定し IO アドレスを 3E8
(ttyS2
) に設定してください。
(前の文における)「それに類するもの」[訳注:PnP 設定用のプログラム
など] は若干扱いにくいかもしれません。そのモデムが ISA バスのプラ
グ&プレイ (PnP) 対応であるなら、恐らく ``isapnptools'' で配布して
いる ``isapnp'' を用いて同等のことができます。``man isapnp
'' ある
いは FAQ をご覧ください。また、Plug-and-Play-HOWTO もご覧ください。PnP
OS を持っていなくとも、PnP-BIOS の CMOS セットアップメニューを用いて、
モデムボードに適切な IRQ および IO アドレスを設定できるかもしれません。
特定の IRQ および IO アドレスを設定するよう BIOS に「強制」したいのな
ら、同じ PC 上で Windows9x を使用すればできるかもしれません。Windows
と同様に、Linux でも設定に用いる PnP-BIOS のフラッシュメモリへ、IRQ お
よび IO アドレスを設定できます。Plug-and-Play-HOWTO を読み、(何ヶ所か
に出てくる) 「強制」を探してください。Windows 3.x では ICU [ 訳注:
ISA Configuration Utility ] を用いて同じことができます。同様に、
モデムと同梱されている (Windows の)ソフトウェアで PnP を無効にできる方
法があるかもしれません。
[訳注 : JF プロジェクトによる日本語訳 Plug-and-Play-HOWTO ]
最後に、``setserial'' を起動しているファイルを探し、以下のような記述を
追加してください : ``setserial /dev/ttyS2 irq5
''。setserial
v2.15 以降を除き、(ディストリビューションが許すなら)コマンドラインで
``setserial'' を動かすだけでよく、その結果は設定ファイルに保存されます。
詳細は
setserial とは何か? をご覧ください。
クイックインストールに関する更なる説明については
すべてのモデム をご覧ください。
モデムを電話線に接続します。minicom のような通信プログラムを起動し、
シリアルポートの設定メニューへ移ります。シリアルポートへモデムより 2
〜 3 倍速いビットレートを割り当てます。最適なスピードは
速度表をご覧ください。/dev/ttyS1
の
ような、シリアルポートの完全な名前を記述します。ハードウェアフロー制御
(RTS/CTS) を使うように設定します。これらの設定を保存し、minicom を終了
します。minicom を再び動かし、モデムが OK
と応答するかどうか確か
めるために、AT
とタイプします。その後ダイアルを行うディレクトリ
(あるいはメニュー)へ移動し、電話番号をダイアルします。
[訳注 : cu
コマンドも使えます。cu はたいていのディストリビュー
ションで uucp パッケージに入っています。
$ cu -l ttyS1
AT (キーボードから入力・モデムが応答するか実験)
OK (モデムの応答)
~. (キーボードから入力・cu の終了)
]