ここでは、 これまでに述べてきたすべてのテクニック (RAID 以外) をすべて使っています。 確かに少々複雑ですが、普通のハードウェアから高い性能を引き出すことができます。 実際に割り当てた大きさは省略しますが、 前の例から適当な大きさを見積もることができると思います。
Partition sda sdb sdc sdd
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1 root overview lib news
2 swap swap swap swap
3 home /usr /var/tmp /tmp
4 spare root mail /var
この設定はトラックの配置・ドライブシークのいずれに対しても 最適化されています。
DOS や Windows も使いたい場合は、
sda1
をあてがってやる必要があります。
その後他のパーティションを移動させます。
スワップパーティションである sdb2
, sdc2
, sdd2
は、
Windows セッションの間は Windows のスワップや TEMPDIR
、
Windows 自身の一時ディレクトリなどに利用できると効率が良いでしょう。
一台のマシンに複数の OS を共存させる方法については、
他にたくさんの HOWTO が出ています。
完全を期すために、いくつかのタイプの RAID を用いた 4 台構成のシステムについても以下に例を与えておきましょう。 上の例よりもさらに複雑な構成になっています。
Partition sda sdb sdc sdd
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1 boot overview news news
2 overview swap swap swap
3 swap lib lib lib
4 lib overview /tmp /tmp
5 /var/tmp /var/tmp mail /usr
6 /home /usr /usr mail
7 /usr /home /var
8 / (root) spare root
ダブっているものは、すべて RAID 0 のセットです。ただし swap は例外で、 これはインターリーブされている swap パーティションです。 home と mail は、安全のために RAID 1 として構成されています。
boot と root が分離されていることに注意してください。 boot ファイルとカーネルは 1023 シリンダよりも低位に置く必要があります。 残りの root のファイルはどこにおいてもかまいません。 ここでは最も低速な最内周のパーティションに配置しています。 わかりやすさと安全性のため、 root パーティションは RAID システムにはしていません。
このような複雑な設定では fstab
ファイルも複雑になります。
パーティションの数が増えると、
fsck
を正しい順序で行わせることが大事になってきます。
下手な設定では、
最適な設定に比べて 10 分以上遅くなってしまうこともあり得ると思います。
/dev/sda8 / ? ? 1 1 (a)
/dev/sdb8 / ? noauto 1 2 (b)
/dev/sda1 boot ? ? 1 2 (a)
/dev/sdc7 /var ? ? 1 2 (c)
/dev/md1 news ? ? 1 3 (c+d)
/dev/md2 /var/tmp ? ? 1 3 (a+b)
/dev/md3 mail ? ? 1 4 (c+d)
/dev/md4 /home ? ? 1 4 (a+b)
/dev/md5 /tmp ? ? 1 5 (c+d)
/dev/md6 /usr ? ? 1 6 (a+b+c+d)
/dev/md7 /lib ? ? 1 7 (a+b+c+d)
括弧の内部の文字は、
それぞれの fsck
のパスでどのドライブが使われているかを示します。
これらの文字は実際の fstab
ファイルには書いてはいけません。
結局 7 段階のパスを使うことになりました。