この章では複数のマシンを接続して一緒に用いるやり方について 簡単に触れたいと思います。しかしこれは本来大きなテーマなので、 もしかしたら別の HOWTO に分割する方が良いかもしれません(ご意見待つ!)。 また正直なところをいいますと、 このセクションは本 HOWTO 文書の内容からは少々外れています。 有名になりたいあなた、 この文書を引き継いで新たな文書を書き起こしてみてくれませんか? 筆者まで連絡してください。
最近では、コンピュータは恐るべきスピードで時代遅れになってしまいます。 しかし古いマシンでも Linux なら適切な用途に利用できることがあります。 少々古いコンピュータでもネットワークサーバとして有効に使うことができますし、 これは教育的にも価値があります。 このようにローカルなネットワークで接続されたコンピュータの集団は 多様な形態をとることが可能ですが、この HOWTO 文書の目的からして、 ここではディスクの管理に関してのみを述べたいと思います。 筆者は、他の人がこの問題を取り上げて 独立した文書にしてくれることを期待しています。
この分野は今日活発な議論がされており、 多くの形態のクラスタ化が可能になっています。 ローカルなネットワークを介しての自動的な負荷分散がその一つですし、 Scalable Coherent Interface (SCI) といったような まだあまり知られていないハードウェアを用いて、 複数のマシンを緊密に連携させ、 あたかも一台のマシンのようにすることもできます。 大きなマシンに関しては以前から数多くのクラスタ化が可能になっています。 有名な例としては VAXcluster などが挙げられるでしょう。 クラスタ化は通常ディスクドライブやプリンタ、 端末などの資源を共有するために行われますが、 プロセスも資源として計算機ノード間で透過的に扱うことが可能です。
クラスタ化には特に一般的な定義はありません。 ここではユーザに提供する資源を共有している複数のマシンからなる ネットワークを考えることにしましょう。 これは少々緩い定義ですが、後に変更されて行くでしょう。
最近は Linux でもクラスタ化の機能が提供されています。 しかしここではまず簡単なローカルネットの構成から説明を始めたいと思います。 古くて、他には用途の無いようなハードウェアでも、 Linux のような OS で動かせば充分役に立ちます。
古いマシンの利用法としては、ネットワークサーバ、 特に演算性能ではなくネットワークのバンド幅で律速されているようなサーバが 適しています。例えば自宅では以下のような機能を 古いマシンを使ったサーバに移動させると良いでしょう。
ドライブを NFS サーバからマウントすれば、
ワークステーション側でディスクを節約することもできます。
どのディレクトリをマウントすべきでないかは、
やはり FSSTND を参考にしてください。
全てのマシンで共有すべきディレクトリの候補としては
/usr
と /var/spool
、あるいは
/usr/local
などが挙げられます。でも例えば
/var/spool/lpd
などは共有させない方が良いでしょう。
ほとんどの場合は遅いディスクでも充分な性能が得られます。 一方サーバ上で直接ディスクを扱う必要がある場合や、 ネットワークが非常に高速な場合には、構成を考え直し、 速いディスクを使うのが良いでしょう。 例えば web サーバの検索機能や ニュースのデータベース検索機能などが該当します。
このようなネットワークはシステム管理の学習にも最適で、 将来自分でネットワークを作るときに役に立ちます。 この点に関しては他の HOWTO 文書から多くの情報を得ることができるでしょう。 ただし以下のことは気に留めておいてください。
Nyx のネットワークはここでいうところの 「クラスタ化」を実現しています。 以下のようなマシンがネットに含まれています。
これはユーザがログインできる二台のマシンのうちのひとつです。 ネットワークサービスも提供しています。
これはユーザが主にログインするマシンで、 メールサーバにもなっています。
これは専用のニュースサーバです。ニューススプールは nyx や nox からも NFS マウントできるようになっています。
web サーバです。 web のページが置かれているディレクトリは nox が NFS マウントしています。
より進んだクラスタ化に関するプロジェクトも進行中です。 注目すべきものとしては以下のようなものが挙げられます。
クラスタ化を押し進めるには、 SCI のような進んだ技術による接続が必要になります。 より情報を求める方には、以下のページが参考になるでしょう。 Dolphin Interconnect Solutions この会社はこの分野における主役の一人と言えるでしょう。また scizzl も参考になるかもしれません。
IMAP を用いた集中型メールサーバは最近非常に増えてきています。
ディスクが充分大きくなってすべてのメールをためこんでおけるようになったため、
またディスクが安価になってこれが現実的な選択肢になってきたためでしょう。
残念なことに、メールアーカイブを他のマシンから NFS
マウントすると、
IMAP のデータベースが破壊されてしまうことがわかっています。
サーバのソフトウェアが NFS タイムアウトをうまく扱うことができないからです
(そして NFS タイムアウトは結構な頻度で起こるものなんです)。
メールアーカイブは IMAP サーバのローカルなディスクに保存してください。