また、VAIO は機種ごとの差が少ないので、他の機種の設定がそのまま使えてしまう可能性が高いです。例えば PCG-883 と PCG-C1R の違いはディスプレイの物理的な解像度ぐらいなので、XF86Config 以外の例えばモデムや PCMCIA などの設定は殆どそのまま流用できるかと思われます。
気が向いた順に適当に書いているため、順番にあまり深い意味はありません。
ボールド の文字は固有名詞を、イタリック はコマンドから 入力するコマンド、ファイル名などを表しています。(テキストファイル版の場 合は当然関係ありません)
とにかくインストールしなければ始まりません。ここでは Linux を インストールするまでの作業について説明します。
インストール環境・マシンスペックなどは以下の通りです。
SONY VAIO PCG-C1R
PentiumMMX 266MHz
430TX PCI
4.3GB Ultra ATA(その内半分の2GBをWindows98用として確保)
SDRAM 128MB(標準は64MB)
NeoMagic MagicMedia 256AV(NM2200) メモリー 2.5MB
1024*480(1,677万色)、1024*768(外付けディスプレイ)
Sound Blaster Pro 互換、内蔵モノラルスピーカー
(別売)PCGA-CD5 PC カード接続
Vine Linux 1.0β(カーネルバージョン 2.0.36)
PLANEX(www.planex.co.jp) の ENW-3503-T(4千円前後で入手可能な 10-BASE-T カードで、どこへ行っても見かける青い箱のやつです)。
全く同じ箱で ENW-3502-T というものもあります。スペックも同じで、両者の違いはカプラ(LAN Card と LAN ケーブルの間にあるやつ)の形ぐらいで、3502 でも 3503 でもまったく動作は変わりませんので、どちらか置いてある奴を買ってくればよいかと思います。
Win98を消して、新規に入れ直したのでハイバネ領域の確保は非常に簡単でした(普通に確保するだけですから)。出荷時の場合ハイバネ領域は c:\save2dsk.bin を使うようになっていますが、これは windows からしか使用できませんので削除してしまい、phdisk /create /partition を実行すればよいでしょう。現在の私の環境での fdisk の結果は以下のようになっています。
/dev/hda1 * 1 278 2101648+ b Win95 FAT32 /dev/hda2 279 538 1965600 83 Linux native /dev/hda3 539 540 15120 82 Linux swap /dev/hda4 541 558 136080 a0 Unknown
実はCDブートできてしまったので、殆ど何もやっていません。 CDに Vine Linux をセットし、boot: に対して以下のよう に入力してCDを認識させました。
boot: linux ide2=0x180,0x386
あとは通常のインストールのように Local CD-ROM Drive を選択するだけです。グラフィック(X)関係はあとで直接 XF86Config ファイルを書き換えますので、NeoMagic のXサーバーを選択しておくことの他は、適当でかまいません。
個人的な趣味の環境設定が含まれています。
PC-9801 を使ってきた人間にとって、CTRL が正しい位置に無い(笑)のは非常に気になってしまいます。キーマップの変更は、今まで使用していた Slackware 系ではloadkeys defkeymap j106-d cl2c-d で入れ替えができたのですが、どうも駄目なようです。しょうがないので、/usr/lib/kbd/keytables/jp106.map のキーコード 58 と 97 を直接書き換えてしまいました。
#keycode 58 = Caps_Lock keycode 97 = Caps_Lock #keycode 97 = Control keycode 58 = Control
これで一安心 :-)
インストール時に CTRL と英数を入れ替えるキーマップを選択できるようになったため、この作業は Vine 1.0 では不必要になりました。
いつまでも root で作業をすることは好ましくないため、通常使用するユーザーを登録し、どうしても root じゃなければいけない作業を除いて、これからはすべての設定をこのユーザーに対して行っていきます。ユーザーの登録は vipw か adduser で行いますが、Vine にはどうやら vipw コマンドが無いようなので、adduser で行います。
adduser cz
Vine では Slackware系 の様に個人情報など入力を促されずにこれだけで終わりです。始めは戸惑いましたが、慣れるとこちらの方がよいかもしれません。個人で使ってる分には finger でどう表示されようが関係ありませんから。必要ならばあとで情報を追加すればよいでしょう。
登録したユーザーは無効になっていますので passwd cz を実行して有効にしてあげれば登録作業は終了です。
私は面倒くさがりなので、pwd や whoami を打たずにシェルのプロンプトにそれらを常時表示させています。root になり、/etc/bashrc の趣味に合わないところを変更しました。
以下をコメントアウト
#PS1="[\u@\h \W]\\$ " #alias which="type -path"
以下を追加
PS1="[\u]\w>" alias cls=clear alias ls='/bin/ls -F --color=auto'
これで MS-DOS ライクな表示になりました(^^;
ノートの一つ目の難関、X の設定ですが、海外モデルである PCG-C1X での設定を調べてあったので、特に問題はありませんでした。
実はいままでサーバーとしてしか Linux を使ってこなかったので、X を使うのは今回が初めてです。
以下の切り取り線の間を切り取り、/etc/X11/XF86Config として保存して startx を実行すれば X が起動するはずです。
-------------------- cut here ---------------- Section "Files" RgbPath "/usr/X11R6/lib/X11/rgb" FontPath "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/local" FontPath "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/japanese:unscaled" FontPath "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/TrueType" FontPath "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/misc:unscaled" FontPath "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/75dpi/:unscaled" FontPath "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/100dpi/:unscaled" FontPath "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/Type1/" FontPath "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/Speedo/" FontPath "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/japanese" FontPath "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/75dpi/" FontPath "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/100dpi/" EndSection Section "Keyboard" Protocol "Standard" AutoRepeat 500 5 LeftAlt Meta RightAlt Meta ScrollLock Compose RightCtl Control XkbKeycodes "xfree86" XkbTypes "default" XkbCompat "default" XkbSymbols "us(pc101)" XkbGeometry "pc" XkbRules "xfree86" XkbModel "jp106" XkbLayout "jp" XkbOptions "ctrl:swapcaps" EndSection Section "Pointer" Protocol "PS/2" Device "/dev/psaux" Emulate3Buttons Emulate3Timeout 50 EndSection Section "Monitor" Identifier "Generic Multisync" VendorName "Unkonwn" ModelName "Unknown" HorizSync 20-64 VertRefresh 50-100 Modeline "1024x480" 65 1024 1032 1176 1344 480 491 493 525 -hsync -vsync EndSection Section "Device" Identifier "NeoMagic" VendorName "Unknown" BoardName "Unknown" Chipset "NM2200" VideoRam 2560 Option "override_validate_mode" EndSection Section "Screen" Driver "SVGA" Device "NeoMagic" Monitor "Generic Multisync" Subsection "Display" # Depth 24 # 24 はウインドゥの移動が遅いんで、16 で我慢(^^; Depth 16 Modes "1024x480" EndSubsection EndSection -------------------- cut here ----------------
WindowMaker 自身の設定は他のマシンと変わらない為、ここでは特には触れません。
私自身も現在設定中なので、設定が終了次第、ここのセクションを更新していく予定です。
とりあえず音が出ないのはさびしいので、SoundBlaster Pro として設定します。これは /usr/sbin/sndconfig というコマンドを実行する事で /etc/conf.modules を勝手に設定してくれ、楽々です。設定の選択は以下のようにしました。設定の最後にスピーカーからテスト用の音声が聞こえれば正常に終了です。
Card Type Sound Blaster Prok I/O PORT 0x220 IRQ 5 DMA 1
ノートの第二の難関ですが、これも殆ど何もやっていません。大昔(カーネル 1.0.12)の頃、ノートに Linux を入れていたときには非常に苦労して結局駄目だった記憶があるんですが、時代は変わりました(笑)カードの認識自体は刺しただけで終わりです。(この時点では)他には何もやっていません。認識さえしてしまえば、PCMCIA であっても、通常の ISA や PCI のネットワークカードと何も変わりません。
さぁ第三の難関ですね(笑)実はこれも簡単だと思っていたんですが、IRQ のバッティングの確認を怠るという思わぬケアレスミスで問題解決まで1時間ほど掛かってしまいました。内蔵モデム自体の初期状態では デバイスは /dev/ttyS1、IRQは 3 になっています。これはノート型 VAIO 全機種に共通のようです。IRQ 3 はPCMCIA カードとバッティングしていますので、/etc/pcmcia/config.opts の予約 IRQ の設定を 4 から 3 にして、PCMCIA カードで使用する IRQ を変更します。
# First built-in serial port #exclude irq 4 # Second built-in serial port exclude irq 3
これで内蔵モデムと PCMCIA カードを同時に使用できるようになりました。あとは qdial などで ppxp の設定を /etc/ppxp/conf/ に書き出し、普通に設定するだけです。私自身の設定は以下のようになっていますが、セキュリティー上の問題から、ログイン ID などの一部を書き換えてあります。<===== のある行は、プロバイダにより違いますので、各自書き換える必要があります。
------------ cut here ------------- source qdial set MODE active set AUTH.PASSWD xxxxxx <===== 内緒 set LOG.FILE xxxxx.log <===== 内緒 set LINE /dev/ttyS1 set SERIAL.MODEM generic set DIAL.LIST 03-1234-5678 <===== ISP(プロバイダ)の電話番号 set DIAL.TYPE Tone <===== プッシュ契約じゃ無い場合 Pulse set AUTH.PROTO PAP CHAP/MD5 CHAP/MS <===== ASAHI-NET の場合 PAP 認証 set IP.VJ yes set IP.RESOLV yes set IP.DNS 111.111.111.111 <====== ISPの DNS アドレスです。 ------------ cut here -------------