JF-INDEX (document list of JF Project)

VAIO PCG-C1R で Linux

早川 仁 <cz8cb01@linux.or.jp>

May 17, 1999


PCG-C1RLinux を入れ、いつでもどこでも Linux するための個人用メモです。


また、VAIO は機種ごとの差が少ないので、他の機種の設定がそのまま使えてしまう可能性が高いです。例えば PCG-883 と PCG-C1R の違いはディスプレイの物理的な解像度ぐらいなので、XF86Config 以外の例えばモデムや PCMCIA などの設定は殆どそのまま流用できるかと思われます。

1. はじめに

2. とりあえずインストール

3. 基本的な環境設定

4. X での環境設定

5. その他ハードウェア的な設定


1. はじめに

気が向いた順に適当に書いているため、順番にあまり深い意味はありません。

ボールド の文字は固有名詞を、イタリック はコマンドから 入力するコマンド、ファイル名などを表しています。(テキストファイル版の場 合は当然関係ありません)


2. とりあえずインストール

とにかくインストールしなければ始まりません。ここでは Linux を インストールするまでの作業について説明します。

2.1 環境

インストール環境・マシンスペックなどは以下の通りです。

インストールマシン

SONY VAIO PCG-C1R

CPU

PentiumMMX 266MHz

チップセット

430TX PCI

HDD

4.3GB Ultra ATA(その内半分の2GBをWindows98用として確保)

RAM

SDRAM 128MB(標準は64MB)

VIDEO

NeoMagic MagicMedia 256AV(NM2200) メモリー 2.5MB

表示モード

1024*480(1,677万色)、1024*768(外付けディスプレイ)

オーディオ

Sound Blaster Pro 互換、内蔵モノラルスピーカー

CD-ROM ドライブ

(別売)PCGA-CD5 PC カード接続

インストールディストリビューション

Vine Linux 1.0β(カーネルバージョン 2.0.36)

Ethernet(PCMCIA) カード

PLANEX(www.planex.co.jp) の ENW-3503-T(4千円前後で入手可能な 10-BASE-T カードで、どこへ行っても見かける青い箱のやつです)。
全く同じ箱で ENW-3502-T というものもあります。スペックも同じで、両者の違いはカプラ(LAN Card と LAN ケーブルの間にあるやつ)の形ぐらいで、3502 でも 3503 でもまったく動作は変わりませんので、どちらか置いてある奴を買ってくればよいかと思います。

2.2 ハイバネ領域の準備

Win98を消して、新規に入れ直したのでハイバネ領域の確保は非常に簡単でした(普通に確保するだけですから)。出荷時の場合ハイバネ領域は c:\save2dsk.bin を使うようになっていますが、これは windows からしか使用できませんので削除してしまい、phdisk /create /partition を実行すればよいでしょう。現在の私の環境での fdisk の結果は以下のようになっています。

/dev/hda1   *         1      278  2101648+   b  Win95 FAT32
/dev/hda2           279      538  1965600   83  Linux native
/dev/hda3           539      540    15120   82  Linux swap
/dev/hda4           541      558   136080   a0  Unknown

2.3 インストール方法

実はCDブートできてしまったので、殆ど何もやっていません。 CDに Vine Linux をセットし、boot: に対して以下のよう に入力してCDを認識させました。

boot: linux ide2=0x180,0x386

あとは通常のインストールのように Local CD-ROM Drive を選択するだけです。グラフィック(X)関係はあとで直接 XF86Config ファイルを書き換えますので、NeoMagic のXサーバーを選択しておくことの他は、適当でかまいません。


3. 基本的な環境設定

個人的な趣味の環境設定が含まれています。

3.1 CTRL と 英数キーの入れ替え

PC-9801 を使ってきた人間にとって、CTRL が正しい位置に無い(笑)のは非常に気になってしまいます。キーマップの変更は、今まで使用していた Slackware 系ではloadkeys defkeymap j106-d cl2c-d で入れ替えができたのですが、どうも駄目なようです。しょうがないので、/usr/lib/kbd/keytables/jp106.mapキーコード 5897 を直接書き換えてしまいました。

#keycode  58 = Caps_Lock       
keycode  97 = Caps_Lock       

#keycode  97 = Control         
keycode  58 = Control         

これで一安心 :-)

インストール時に CTRL と英数を入れ替えるキーマップを選択できるようになったため、この作業は Vine 1.0 では不必要になりました。

3.2 一般(作業用)ユーザーの登録

いつまでも root で作業をすることは好ましくないため、通常使用するユーザーを登録し、どうしても root じゃなければいけない作業を除いて、これからはすべての設定をこのユーザーに対して行っていきます。ユーザーの登録は vipwadduser で行いますが、Vine にはどうやら vipw コマンドが無いようなので、adduser で行います。

adduser cz

Vine では Slackware系 の様に個人情報など入力を促されずにこれだけで終わりです。始めは戸惑いましたが、慣れるとこちらの方がよいかもしれません。個人で使ってる分には finger でどう表示されようが関係ありませんから。必要ならばあとで情報を追加すればよいでしょう。

登録したユーザーは無効になっていますので passwd cz を実行して有効にしてあげれば登録作業は終了です。

3.3 シェルの初期設定

私は面倒くさがりなので、pwdwhoami を打たずにシェルのプロンプトにそれらを常時表示させています。root になり、/etc/bashrc の趣味に合わないところを変更しました。

以下をコメントアウト

#PS1="[\u@\h \W]\\$ "
#alias which="type -path"

以下を追加

PS1="[\u]\w>"
alias cls=clear
alias ls='/bin/ls -F --color=auto'

これで MS-DOS ライクな表示になりました(^^;


4. X での環境設定

ノートの一つ目の難関、X の設定ですが、海外モデルである PCG-C1X での設定を調べてあったので、特に問題はありませんでした。

4.1 XF86Config を書き換える

実はいままでサーバーとしてしか Linux を使ってこなかったので、X を使うのは今回が初めてです。

以下の切り取り線の間を切り取り、/etc/X11/XF86Config として保存して startx を実行すれば X が起動するはずです。

-------------------- cut here ----------------
Section "Files"
    RgbPath "/usr/X11R6/lib/X11/rgb"
    FontPath   "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/local"
    FontPath   "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/japanese:unscaled"
    FontPath   "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/TrueType"
    FontPath   "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/misc:unscaled"
    FontPath   "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/75dpi/:unscaled"
    FontPath   "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/100dpi/:unscaled"
    FontPath   "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/Type1/"
    FontPath   "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/Speedo/"
    FontPath   "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/japanese"
    FontPath   "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/75dpi/"
    FontPath   "/usr/X11R6/lib/X11/fonts/100dpi/"
EndSection

Section "Keyboard"
   Protocol    "Standard"
   AutoRepeat  500 5
   LeftAlt        Meta
   RightAlt        Meta
   ScrollLock      Compose
   RightCtl        Control
   XkbKeycodes     "xfree86"
   XkbTypes        "default"
   XkbCompat       "default"
   XkbSymbols      "us(pc101)"
   XkbGeometry     "pc"
   XkbRules        "xfree86"
   XkbModel        "jp106"
   XkbLayout       "jp"
   XkbOptions      "ctrl:swapcaps"
EndSection

Section "Pointer"
    Protocol    "PS/2"
    Device      "/dev/psaux"
    Emulate3Buttons
    Emulate3Timeout    50
EndSection

Section "Monitor"
    Identifier  "Generic Multisync"
    VendorName  "Unkonwn"
    ModelName   "Unknown"
    HorizSync   20-64
    VertRefresh 50-100
Modeline "1024x480" 65  1024 1032 1176 1344 480 491 493 525 -hsync -vsync
EndSection

Section "Device"
    Identifier  "NeoMagic"
    VendorName  "Unknown"
    BoardName   "Unknown"
    Chipset     "NM2200"
    VideoRam    2560
    Option "override_validate_mode"
EndSection

Section "Screen"
    Driver      "SVGA"
    Device      "NeoMagic"
    Monitor     "Generic Multisync"
    Subsection "Display"
#   Depth 24
# 24 はウインドゥの移動が遅いんで、16 で我慢(^^;
    Depth 16
    Modes "1024x480"
    EndSubsection
EndSection
-------------------- cut here ----------------

WindowMaker 自身の設定は他のマシンと変わらない為、ここでは特には触れません。


5. その他ハードウェア的な設定

私自身も現在設定中なので、設定が終了次第、ここのセクションを更新していく予定です。

5.1 サウンド

とりあえず音が出ないのはさびしいので、SoundBlaster Pro として設定します。これは /usr/sbin/sndconfig というコマンドを実行する事で /etc/conf.modules を勝手に設定してくれ、楽々です。設定の選択は以下のようにしました。設定の最後にスピーカーからテスト用の音声が聞こえれば正常に終了です。

Card Type
    Sound Blaster Prok

I/O PORT
    0x220
IRQ
    5
DMA
    1

5.2 Ethernet(PCMCIA) カード

ノートの第二の難関ですが、これも殆ど何もやっていません。大昔(カーネル 1.0.12)の頃、ノートに Linux を入れていたときには非常に苦労して結局駄目だった記憶があるんですが、時代は変わりました(笑)カードの認識自体は刺しただけで終わりです。(この時点では)他には何もやっていません。認識さえしてしまえば、PCMCIA であっても、通常の ISA や PCI のネットワークカードと何も変わりません。

5.3 モデム

さぁ第三の難関ですね(笑)実はこれも簡単だと思っていたんですが、IRQ のバッティングの確認を怠るという思わぬケアレスミスで問題解決まで1時間ほど掛かってしまいました。内蔵モデム自体の初期状態では デバイス/dev/ttyS1IRQ3 になっています。これはノート型 VAIO 全機種に共通のようです。IRQ 3PCMCIA カードとバッティングしていますので、/etc/pcmcia/config.opts の予約 IRQ の設定を 4 から 3 にして、PCMCIA カードで使用する IRQ を変更します。

# First built-in serial port
#exclude irq 4
# Second built-in serial port
exclude irq 3

これで内蔵モデムと PCMCIA カードを同時に使用できるようになりました。あとは qdial などで ppxp の設定を /etc/ppxp/conf/ に書き出し、普通に設定するだけです。私自身の設定は以下のようになっていますが、セキュリティー上の問題から、ログイン ID などの一部を書き換えてあります。<===== のある行は、プロバイダにより違いますので、各自書き換える必要があります。

------------ cut here -------------
source qdial
set MODE active
set AUTH.PASSWD xxxxxx     <===== 内緒
set LOG.FILE xxxxx.log     <===== 内緒
set LINE /dev/ttyS1
set SERIAL.MODEM generic
set DIAL.LIST 03-1234-5678 <===== ISP(プロバイダ)の電話番号
set DIAL.TYPE Tone         <===== プッシュ契約じゃ無い場合 Pulse
set AUTH.PROTO PAP CHAP/MD5 CHAP/MS <===== ASAHI-NET の場合 PAP 認証
set IP.VJ yes
set IP.RESOLV yes
set IP.DNS 111.111.111.111  <====== ISPの DNS アドレスです。
------------ cut here -------------


sgml21html conversion date: Wed Feb 23 10:56:05 JST 2000