次のページ 前のページ 目次へ

11. 全体のまとめ

Xconfig ファイルのビデオモード(Video Modes)表は数行の数列でできていて、 それぞれの行は X サーバが使用する 1 つのモードの完全な仕様を表わしていま す。その項目は名称セクション、ドットクロックセクション、水平セクション、 垂直セクションの 4 つのセクションに分けられます。

名称セクションは 1 項目からなり、その行の残りでビデオモードの名称を指 定します。この名称は、Xconfig ファイルのグラフィックスドライバ設定セク ションの "Modes" 行から参照されます。 現在の行が前の行と同じ名称ならば名称は省略できます。

ドットクロックセクションには、ビデオモード行の項目に DCF と呼んでいた ドットクロックのみを書きます。次のセクションで作成する数字をドットクロッ クとしてこの項目に書きます。

水平セクションは 4 つの項目を含み、それぞれの水平線を画面の上でどのよ うに作成するかを記述します。最初の項目は、光を発して映像を構成する線 について、線ごとのドット数を示します(今まで HR と呼んでいたものです)。 2 番目の項目(SH1)はどのドットから水平同期信号が始まるかを示します。 3 番目の項目(SH2)はどのドットで水平同期信号が終わるかを示します。 4 番目の項目は全水平フレーム長(HFL)を指定します。

垂直セクションも 4 項目からなります。最初の項目には画面上に表示される 走査線の数を書きます (VR)。 2 番目の項目(SV1)には垂直同期信号が何番目 の線から始まるかを書きます。3 番目の項目(SV2)には垂直同期信号が何番目 の線で終わるかを書きます。 4 番目の項目には全垂直フレーム長を書きます(VFL)。

指定例:

     #Modename    clock  horizontal timing  vertical timing

     "752x564"     40    752 784  944 1088  564 567 569 611
                   44.5  752 792  976 1240  564 567 570 600
(注意: 標準的な X11R5 そのままでは 小数のドットクロックは使えません。)

Xconfig では、線上で輝いているドットの数、輝いているドットから同期信号の開 始点までのドット数、同期信号の持続時間分のドット数と同期信号の終了点から後 のドット数、これらを足し合わせると 1 本当たりのドット数が計算できます。水平 方向のドット数は一律に 8 で割り切れる数値でなければいけません。

水平方向の数値の例: 800 864 1024 1088

この例の数字は順に、輝いているドット数(800)、 同期開始点のドット(864)、 同期終了点のドット(1024)、 水平線の最後のドット(1088)となります。

全ての水平方向の数字(800, 864, 1024, 1088)は 8 で割り切れる事にもう一 度注意してください。これは垂直方向の数字には当てはまりません。

画面の上から下までの線の数がフレームを構成します。フレームの基本的な時間調 整は線で行ないます。線の多くは画像を表示するために使われます。最後の発光す る線を表示した後で、数本分遅延が挿入され、その後垂直同期信号が生成されます。 そして同期信号は数本分だけ持続し、フレームの最後に同期信号の後で必要な遅延 が生成されます。この動作モードを規定する数値は、次の例のように入力します。

垂直方向の数値の例: 600 603 609 630

この例はディスプレイに 600 本の線が表示され、603 番目の線から垂直同期 が始まり 609 番目で終わる事、そして全部で 630 本の線を使用することを表 わしています。

垂直方向の数値は 8 で割り切れる値でなくても構いません。

例題に戻りましょう。上記によって、Xconfig へ書き込む必要な全ての値 は以下のようになります:

<name>   DCF     HR  SH1 SH2   HFL   VR  SV1 SV2 VFL
ここで SH1 は水平同期信号の開始クロックで、SH2 はその終了クロックになり、 同様に SV1 は垂直同期信号の開始クロックで、SV2 はその終了クロックです。

ここで、前述の「黒魔術と同期信号」の章の説明を思い出してください。SH1 は 水平同期信号の先頭側の端で始まるドットです。したがって SH1 = HR + HGT1 です。SH2 は末尾側の端です。したがって SH2 = SH1 + HSP です。同じように、SV1 = VR + VGT (ただし VGT は普通は 0 です)、SV2 = SV1 + VSP です。

#name    clock   horizontal timing   vertical timing    flag
936x702  65      936 968 1200 1232   702 702 710 737
特別なオプションは必要無く、これはノンインタレースモードで動作します。 これで完了しました。


次のページ 前のページ 目次へ