(この節はほとんど David Kastrup <dak@pool.informatik.rwth-aachen.de> によります)
固定のドットクロックでは、モニタの垂直同期回路が安定してサポート できるなら、ノンインタレース画面よりもインタレース画面 の方が目につくちらつきがかなり少なくなります。 インタレースモードが最初に開発されたのは、このためです。
インタレースモードは、同じ垂直走査周波数 すなわちVSF(通常広告に良く使われて います) のノンインタレースモードの同等品より劣るという悪評をかっていました。 しかし、インタレースモードは同じ水平走査周波数では確実に優れていて、 普通はそこでモニタやグラフィックスボードの明白な限界が見えてくるものです。
固定のリフレッシュレート(すなわちフレーム周波数の半分、つまり VSF)では、インタレースのディスプレイはちらつきがより多く見えます。 例えば、90Hz のインタレース表示は 90Hz の非インタレース表示より劣りま す。しかし、半分のビデオ信号帯域幅と半分の水平走査速度で済みます。 同じドットクロックと同じ走査速度でノンインタレース表示と比べたら、 インタレース表示の方がずっとよく見えるでしょう。45Hz の非インタレース 表示などは、お話になりません。私は、90Hz のインタレース(1024x768)で Multisync 3D を何年も使っており、たいへん満足しています。 同様な快適さを得るためには、最低 70Hz の非インタレース表示が必要だと思 います。
注意が必要なこともいくつかあります。インタレースモードは高解像度でだけ使って、 一本おきの輝線がお互いに近くなるようにします。最も安定した線の位置を得るため に、同期信号の幅と位置をいじる必要があるかもしれません。 一本おきに線が明暗すると、インタレース表示はぎらぎらして見えます。 私は、メニューの背景にそのようなドットパターンを選んだアプリケーション を一つ持っています(XCept, 幸いなことに他の私の知っているアプリケーション ではこのようなことをするものはありません)。私は、XCept を 使うときには 800x600 に切り替えます。というのも、そうしないと目を痛めて しまうからです。
同じ理由で、最低 100dpi のフォントを使うこと、または他のフォントでも 水平方向の線に最低 2 行分の厚みがあるフォントを使いましょう(高解像度の 場合には、他のどんな方法でもだめでしょう)。
そしてもちろん、同じようなリフレッシュレートで非インタレースモードをサ ポートしている機器の時は、決してインタレースモードを使ってはいけません。
しかしながら、もしある解像度でモニタかグラフィックスカードのどちらか の上限に達してしまって不快なちらつきや色落ち(帯域幅を超えた時)表示 が起こったと思ったら、同じ解像度でインタレースモードを試してみるといいかも しれません。もちろん、これはモニタの VSF がすでに上限に近い場合は使えません。
インタレースモデルの設計は簡単です。ノンインタレースモードと同じように 考えましょう。2 つだけ追加の検討が必要です。まず、垂直線の総数 (モード行の最後の数値)を奇数にしなければなりません。 次に、"interlace" フラグを指定した時、 モニタに対する実際の垂直フレーム周波数が倍になることです。指定した モードが 45Hz のモードに見えるなら、"Interlace" フラグはさておいて、 モニタは 90Hz のフレーム周波数をサポートする必要があります。
例えば、1024x768 のインタレースモードのモード行の場合です。 Multisync 3D は 90Hz の垂直フレーム周波数と 38kHz の 水平フレーム 周波数までサポートします。
ModeLine "1024x768" 45 1024 1048 1208 1248 768 768 776 807 Interlace
両方のリミットは、このモードではほぼ限界です。同じモードを "Interlace" オプションをつけないで指定しても、既にモニタの水平 方向の能力のほとんど上限です(厳密に言えば、垂直走査周波数の下限を 少し下回ります)。しかし、耐えられないほどのちらつきを生じます。
基本的な設計ルールです。モニタの垂直容量の半分以下でのモード設計したことがあ れば、 垂直方向の線の合計を奇数にして "Interlace" オプションを追加 しましょう。ほとんどの場合、ディスプレイの品質は非常に向上するはずです。
モニタの最大以下の垂直走査周波数より 30% ほど低い垂直走査周波数で、 モニタの仕様を上回らないように、止むを得ず ノンインタレースモードを使っている場合は、インタレースモードを手作りで 設計すると(多分、いくぶん高い解像度で)よりよい結果を得る ことができるかもしれませんが、約束はできません。