さあ、 X の構成定義の数値を手に入れました。XF86Config に その数値をテスト 中のコメントをつけて書きました。X を立ちあげ、ホットキーで新しいモード に切り替えてみました…しかし画像が変です。こういう場合、どうすればいい のでしょう? 一般的なビデオ画像歪みの問題と解決策をここに挙 げます。
(小さな歪みの修正において xvidtune(1) が秀でています。)
同期パルスを調整して画像を移動してみてください。フレーム長を変え て画像を拡大・縮小してください(相対的な位置をそのままに同期信号を移動 する必要があります。そうしないと拡大縮小と同時に画像の移動も起こってし まいます)。もう少し個別の対処方法を次に示します:
水平と垂直の表示位置は独立しています。これは画像を水平に移動させても垂 直位置には影響がなく、また逆も同じということです。ところが拡大・縮小では 必ずしもそうではありません。水平方向の大きさを変えても垂直方向の大きさ には何も影響を与えず、逆も同じですが、縦横両方の変更量の合計は限定され ています。特に、縦横に大き過ぎた場合はより高いドットクロックに変更して 修正する必要があるでしょう。使用可能な解像度を引き上げることになるた め、これはめったに問題とはなりません。
これを修正するために水平同期信号を移動しましょう。すなわち、水平同期信号の 開始端と終了端を定義している水平調整部分の真ん中の 2 つの数値を (8 の倍数ずつ)増減させて行います。
画像が左にずれている(右の縁の部分が大きすぎて、右へ画像を移動したい) 時は、数値を増やしてください。画像が右にずれている(左の縁の部分が大き すぎて、左へ画像を移動したい)時は、同期信号を減らしてください。
これを修正するために垂直同期信号を移動してください。すなわち、垂直同期信号 の開始端と終了端を定義している垂直調整部分の真ん中の 2 つの数値 を増減させて行います。
画像が上にずれている(下の縁の部分が大きすぎて、下に画像を移動したい) 時は、数値を減らしてください。画像が下にずれている(上の縁の部分が大き すぎて、上へ画像を移動したい)時は、数値を増やしてください。
より高いカードクロックに切り替えましょう。クロックファイルに複数の モードがある場合、低い方の速度のモードに間違って作動させている 可能性があります。
これを修正するためには水平フレーム長を増やし(減らし)てください。すなわち、 最初の調整部分の 4 番目の数値を変えて行います。画像が移動するのを回 避するため、同期信号(2 番目と 3 番目の数値)もその半分だけ移動し、同 じ相対位置を保存しておいてください。
これを修正するためには垂直フレーム長を減らし(増やし)てください。それ は 2 番目の調整部分の 4 番目の数値を変えて行います。画像が移動するのを 回避するため、同期信号(2 番目と 3 番目の数値で)もその半分だけ移動 し、同じ相対位置を保存しておいてください。
これらの技術の組合せでも取れない他の歪みは多分もっと基本的な部分が違っ ている、例えば計算違いとかモニタで使えない高いドットクロックを使って いるような場合があります。
最後に、フレーム長のどちらかの数値を増やせばリフレッシュレートが低下し てしまうこと、またその逆も言えることを覚えておいてください。
小さな歪みはモニタの画像制御をいじれば直ることもあります。この方法の短 所は、グラフィックスモードの問題を直すために自然な設定(工場出荷時の設 定)から離れすぎてしまうと、テキストモードの画面が変になってしまうこと です。したがって、モード行を正しくする方がいいでしょう。