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4. ソフトウェア

4.1 カーネル

オリジナルのカーネルは IBM PC/AT 及びその互換機用ですので,そのま までは FMTOWNSでは動作しません.しかし FMTOWNSへの移植作業 は非常に精力的に行われており,オリジナル版とそれほど変わらない版が動 作しています. 1996 年 8 月 24 日現在,Version 2.0 系の TOWNS Linux カーネルは Version 2.0.14 が公開されています.

4.2 X window

X window のサーバは,X11R5 系 (XFree86 2.1) と X11R6 系 (XFree86 3.1.2) のものが移植されています.高解像度機(モデル MX, MA, HA, HB, HC)を含め,内蔵 VRAM がサポートされています.最新の TOWNS Linux 版サーバ XTowns 4.0β1 では,16色/256色/32768色/1677万色の サーバ (1677万色は高解像度機のみ) がひとつに統合されており, 設定を変えて起動することにより様々な画面モードで動作します. また八戸ファーム社から発売された Windows アクセラレータカード HV1-T(HyperView) 用のサーバや,上記 Windows アクセラレータカード (FMT-3631) 用サーバもあります.

最近の FMTOWNS(Fresh ES, ET, FS, FT, モデル HA, HB, HC)に標 準で内蔵されている Windows アクセラレータ(Cirrus 社 GD5430:Fresh 系 / GD5434:H* 系)を使ったサーバも公開されています.

4.3 sgvalib

IBM PC/AT の DOS で利用されているグラフィック環境を実現するための ライブラリです.オリジナルは IBM PC/AT 用なのですが, FMTOWNS用には svgalib-1.2.10 が移植されています. 著名なゲームソフトウェアであ る「DOOM」にはこの svgalib を利用した版があり,TOWNS Linux 上でも動 作します.

4.4 TOWNS Linux 用ソフトウェア

内蔵 PCM 音源用録音再生ツール,Standard MIDI ファイル (SMF) の演奏, MIDI 出力,ファイルビューワ,高速/互換モード切り換え,ソフトウェア 電源 OFF,FMTOWNS機種判別,svgalib 版 JPEG ビューワ,コンソール の表示コード (S-JIS/EUC) 切り換えコマンド等々があります. また DOS 環境から TOWNS Linux を起動するツールもあります. X window のソフトフェアとしては,CD プレーヤ,PCM サンプリングツー ル,TV 表示(要ビデオカード)などがあります.

4.5 日本語環境

Linux はオリジナルは英語版です.しかし有志によって,日本語化のプロ ジェクト (JE) と,日本語文書を整備するプロジェクト (JF) が進められて います.その活動成果として,必要なソフトウェアは大抵日本語化されてお り,また日本語で記された文書が豊富に作成されています. TOWNS Linux でもこの JE の日本語化されたソフトがそのまま動作します.

4.6 その他のソフトウェア

文書処理系では TeX, エディタでは vi, emacs, mule 等,かな漢字変換 サーバでは,wnn, canna, sj3 が動作します. 最近流行のネットワーク環境に関するソフトも動作します.ppp, slip, plip といったドライバや,WWW クライアントである NCSA Mosaic や Netscape,メール・ニュースシステムとしての uucp, sendmail, mnews, inn など,色々なソフトが動きます. また IBM PC の DOS 環境をエミュレートする dosemu や,Macintosh ソ フトの動作環境をエミュレートする Executor も動きます.


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