多くのモデムでは、インターネットから手に入れたアップグレードプログ ラムを使い、フラッシュメモリ中にあるプログラムを入れ替えることができま す。PC からシリアルポートを通してモデムへこの「プログラム」を送り、こ のプログラムを(電源を切っても内容が消えない)不揮発性メモリに記憶します。 たいていインストール説明書には Windows での方法が書いてあるので、 (Windows でアップグレードを行いたい場合を除き) どのようにして Linux で 同等の作業を行うのか理解する必要があります。モデムにプログラムを送るこ とを、ダウンロードと呼ぶこともあります。
HOWTO の最新バージョン( この HOWTO の新しいバー ジョン をご覧ください)でもこの依頼文が載っていたなら、他の人の役に 立つのでアップグレードの体験談を著者まで送ってください。
アップグレードの一般的な考えをここに挙げます。次に来るデータはフラッシュ
メモリのアップグレードデータだとモデムへ伝えるコマンドが、まず必要にな
るでしょう。AT**
コマンドがこれにあたります。(minicom のような)通
信プログラムを起動し、タイプしてください。モデムが存在するかどうか確か
めるため、まず AT
<enter> とタイプし、モデムは ``OK
''
と応答します。
次に、モデムへ直接ファイル(ときには 2 つのファイル)を送る必要がありま
す。(minicom のような)通信プログラムは、モデムへ(そしてモデムを越えて)
ファイルを送るために、zmodem や kermit を使用することもあります。しか
し、これらはファイルへへッダを追加してパケットにします。ファイルを変更
せずに正確にモデムへ送りたいのです。通信プログラム kermit には( kermit
パケットを使わずに) ファイルを直接送る ``transmit
'' コマンドがあ
るので、これを使うことがファイルを直接送るひとつの方法です。minicom は
1998 年までこの機能を持っていませんでした。
ファイルを送るもうひとつの方法があります。通信プログラムから離れてシェ
ルへ移行し (minicom では ^AJ
)、(シリアルポートが ttyS2
の場
合) cat upgrade_file_name > /dev/ttyS2
とタイプします。そし
て、(minicom のコマンドプロンプトで fg
とタイプして) 通信プログラ
ムへ戻り、何が起きたのかを確認してください。
特定の Rockwell 社製モデムでの例を挙げます (C-a
は ^A
を表しま
す):
- minicom を起動する - AT** をタイプする : "Download initiated .." を得る - C-a J - cat FLASH.S37 > /dev/modem - fg : "Download flash code .." を得る - C-a J - cat 283P1722.S37 > /dev/modem - fg : "Device successfully programmed" を得る