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3. 設定ファイルと作成ツリー

3.1 設定ファイル

RPM に対する設定は、

という(設定レベルの異なる)三種類のファイルにより行なわれており、夫々
/usr/lib/rpmrc

RHS の勧める RPM の設定が記述されている

/etc/rpmrc

サイト毎の設定ファイル

$HOME/.rpmrc

各個人毎に設定を行なうためのファイル

という役割を担っています。 この中で、/usr/lib/rpmrcは RPM パッケージに含まれて いますが、/etc/rpmrc 及び $HOME/.rpmrc は各自が作成する必要があります。 (RPM バージョン 2.2.7 以前は /etc/rpmrc も配付パッケージに 含まれて いたのですが、バージョン 2.2.8 以降は望ましい設定値が全て /usr/lib/rpmrc に書かれるようになったため、 同梱されなくなりました。 /etc/rpmrc が無い! 節を参照して下さい。 また、バージョン 2.2.8 でのバグについては、 RPM をアップグレードした際にエラーが出る 節を参照して下さい。)

3.2 パッケージ作成ツリー

RPM は、ディフォルト(即ち、/usr/lib/rpmrcの設定)では、 パッケージ作成ツリーの最上位ディレクトリを

topdir: /usr/src/redhat
とし、その下にある というディレクトリを利用します。
RPM を用いたパッケージを root として作成するためには 不可欠ですので、対応するディレクトリツリーを作成しておいて 下さい。

夫々のディレクトリは

BUILD

ソースを展開し、パッチを当て、make を行なう

RPMS/{i386,axp,sparc}

完成したバイナリパッケージ(*.rpm)が置かれる
(使用しているシステムが ix86 アーキテクチャなら、RPMS/i386 に置かれます。)

SOURCES

ソースファイル、パッチを置く
(``glint'' の使用するアイコン用の gif ファイル等もここに置きます。)

SPECS

パッケージ作成用の仕様書(spec ファイル)を置く

SRPMS

完成したソースパッケージ(*.src.rpm)が置かれる

ために用いられます。

この他にも、make して出来たファイルをその下に 「仮想的にインストール」してバイナリパッケージを作成する ためのディレクトリ(``BuildRoot:'')も用いられます。 こちらは、作成する各パッケージ毎に設定できますので、 spec ファイルを書く際 に説明します。

3.3 個人用作成ツリー

以上のディレクトリツリーさえ有れば、root として パッケージを作成する事が出来ます。

しかし、/usr/src 以下には(恐らく)書き込み権の無い 一般ユーザ「も」自分のホームディレクトリ以下にパッケージ作成 用ディレクトリツリーを設定し、RPM を用いてパッケージを作成する 事が出来ます。

パッケージ作成用ディレクトリツリーを一般ユーザの ホームディレクトリ以下に設定するには、そのユーザの $HOME/.rpmrc ファイル中に

topdir: /home/hogehoge/<mybuilddir>
と書いておき、<mybuilddir>以下に BUILD, RPMS,... といったサブディレクトリを作成 しておけば良いのです。 ここでは、ユーザ hogehoge のパッケージ作成用 ディレクトリを、そのホームディレクトリの下の <mybuilddir> に設定しています (勿論、<mybuilddir> はあなたが使用する 実際の作成用ディレクトリに置き換えて下さい)。

以後、 /home/hogehoge/<mybuilddir> 等を <topdir> と記述します。


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