パッケージの操作

パッケージのクエリ

最も簡単なパッケージのクエリは、最上部のメニューから [Query] オプションを使用することです。複数のパッケージにクエリを実行する場合は、すべてを選択したうえで、メニューの [Query] ボタンを押します。

図 7-10」で示すようなウィンドウが表示されます。クエリを実行したパッケージの数が多ければ多いほど、[Query] ボックスに表示されるタブの数が多くなり、それぞれのタブはパッケージの [Query] ウィンドウを表します。

図 7-10. クエリウィンドウ

パッケージの名前はボックスの最上部の中央に位置します。その下では、ボックスが一覧情報の 2 つのカラムに分かれ、その情報の下にはパッケージファイルを示す表示エリアが表示されます。

情報リストの左のエリアでは、ファイルサイズ、ファイルのあるマシン、パッケージディストリビューションの名前、その機能が属するグループが表示されます。

右のカラムには、マシンへのパッケージのインストール日付、パッケージのビルド日付、ベンダー名、ソフトウェアをパッケージしたグループの名前が表示されます。パッケージがマシンにインストールされていなければ、そのスペースには「not installed」だけ表示されます。[Packager] のうしろの名前をクリックすると、ブラウザの 電子メールアプリケーションが編集モードで開くので、パッケージャへのメッセージを作成することができます。

情報リストの最下部の中央には、アプリケーションの開発者の URL が表示されます (「図 7-11」を参照してください。([Packager] エントリでの 電子メール機能と同様に、URL をクリックすると、ブラウザが開いて該当するウェブサイトを表示します。

図 7-11. [Query] ウィンドウでの URL

説明の下にはパッケージに含まれるファイルのリストが表示されます。パスの左の関連カラムに D が表示される場合、そのファイルはドキュメントファイルなので、アプリケーションの使い方に関するヘルプを読むのがよいでしょう。そのカラムに C が表示される場合、そのファイルは設定ファイルです。S カラムには、パッケージの「状態」が表示されます。ここでは、いずれかのファイルがパッケージから「消失」しているとされるか (したがって、そのパッケージに問題がある) かどうかの情報を得ることができます。

すでにインストールされているパッケージに対するクエリを実行する場合は、このウィンドウの最下部に、[Verify] および [Uninstall] という追加ボタンも 2 つ表示されます。まだインストールされていないパッケージに対してクエリを実行すると、最下部のボタンのラベルが [Install][Upgrade][Check Sig] となります。

特に操作を実行しないでクエリウィンドウを閉じるには、ウィンドウバーの右上にある [X] を左クリックします。

パッケージの検証

パッケージの検証は、パッケージ内のファイルをすべてチェックし、システムにあるファイルと一致することを確認します。チェックサム、ファイルサイズ、アクセス権、オーナー属性がいずれもデータベースと照合されます。プログラムファイルの 1 つがなんらかの理由で壊れている疑いがある場合に、このチェックを使用することができます。

パッケージの検証の選択は、パッケージのクエリの選択のようなものです。パッケージを表示ウィンドウで選択し、ツールバーで [Verify] ボタンを使用するか、メニューから [Packages] => [Verify] を選択します。「図 7-12」で示すようなウィンドウが開きます。

図 7-12. 検証ウィンドウ

パッケージのチェック中は、[Verify] ウィンドウに進捗状況が表示されます。検証プロセスでなんらかの問題が発見されると、それがメイン表示エリアに表示されます。

パッケージのアンインストール

パッケージをアンインストールすると、アプリケーションおよび関連ファイルがマシンから削除されます。パッケージをアンインストールすると、そのパッケージが使用して他のパッケージでは必要がないファイルも削除されます。変更された設定ファイルは <filename>.rpmsave にコピーされるため、あとで再利用することができます。

注意注意:
 

パッケージのアンインストールにはルート権限が必要です。

パッケージのアンインストールにより「依存関係」が壊れる (パッケージ内の削除されたファイルを 1 つまたは複数必要とする他のアプリケーションが実行できないおそれがある) 場合は、ダイアログがポップアップし、削除してよいかどうかの確認が求められます。これが発生するのは、[Preferences] メニューから [No dependency checks] ボックスを選択していない場合です (「図 7-13」で示すとおり。)

図 7-13. [Preferences] の [Behavior] タブ

選択したパッケージを削除するには、メニューの、[Packages] から、ツールバーから、[Query] 機能から、などの方法があります。複数のパッケージを一度に削除する場合は、インストール、クエリ、または検証の場合と同じように増分選択か一括選択のどちらかを選択することができます。選択の合計がメインウィンドウの最下部にあるステータスバーに反映されます。複数のパッケージを一度に削除できるため、ほんとうに削除するパッケージだけを選択するように注意してください。

図 7-14. アンインストールウィンドウ

アンインストールを開始すると、Gnome-RPM が確認を求め、「図 7-14」.で示すようなウィンドウが表示されます。アンインストールしようとするパッケージがすべてリストアップされます。これらをすべてチェックし、保存しておくパッケージの削除がされないことを確認する必要があります。[Yes] ボタンをクリックすると、アンインストールプロセスが開始されます。アンインストールが完了すると、削除されたパッケージとグループがそれまで表示されていたウィンドウから消えます。

パッケージのアップグレード

パッケージの新しいバージョンがリリースされた場合は、それを簡単にシステムにインストールすることができます。インストールするパッケージを選択するのと同じように、使用可能なパッケージのウィンドウからパッケージを選択します。ツールバーの[Upgrade] ボタン、メニューの[Operations] => U[Upgrade] のどちらを選択しても、プロセスが開始されます。新しいパッケージのインストールを行うのと同じように、パッケージの [Add] を実行するだけです。

アップグレードの間、パッケージのインストールの場合と同じようなプログレスインジケータが表示されます。アップグレードが終了すると、特に他の指定をしないかぎり、パッケージの古いバージョンが削除されます (詳細は「 設定 」 を参照してください(。

古いバージョンのパッケージをアンインストールしてから新しいパッケージをインストールするよりも、アップグレードオプションを使用するほうがはるかに優れた方法です。アップグレードを使用すると、パッケージ設定ファイルに加えた変更が正しく保存されるのに対し、パッケージをアンインストールしてから再インストールすると、これらの変更が消失するおそれがあります。

インストール中にディスクスペースが不足すると、インストールは異常終了します。ただし、エラーが発生した場合にインストールされていたパッケージは一部のファイルを残したままにすることがあります。このエラーのあとでクリーンアップを行うには、ディスク容量を増設してからパッケージを再インストールしてください。