Red Hat Linux 用ディスクのパーティショニング

まだどのようなパーティショニングを行うのかが決まっていない場合は、「付録 B 」 を参照してください。そこでは、基本的なディスクパーティショニングの考え方が紹介されています。最低限、適当なサイズのルートパーティションと、最低 16 MB のスワップパーティションが必要になります。

図 10-14 」に示されている、2 種類のディスクパーティショニング用アプリケーションを利用することができます。

fdisk を使用してディスクのパーティショニングを行う場合は、「 fdisk の使用法 」 の指示にしたがってください。Disk Druid を選択する場合は、続けて以下を参照してください。

図 10-14. [Disk Setup] ダイアログ

以下のセクションでは、「図 10-15」 のレイアウトと、そのボタンを使用してパーティションをセットアップする方法について説明します。すでに Disk Druid の使用法が分かっている場合は、ディスクのパーティショニングを行ってから 「 [Choose Partitions to Format] ダイアログ 」 まで進んでください。

ディスクパーティショニングダイアログを使用することにより、インストールプログラムに対して Red Hat Linux のインストール先を指示します (「図 10-15 」)。

図 10-15. Disk Druid のメイン画面

[Current Disk Partitions] セクション

[Current Disk Partitions] セクションの各行は、ディスクのパーティションを表しています。この例 (「図 10-15」) では、すでに Linux パーティションが存在しています。

右側にあるスクロールバーに注意してください。これは、一度に表示できる数よりも多くのパーティションがある可能性を示しています。矢印キーおよび矢印キーを使用すれば、表示されていないパーティションを参照することができます。このセクションの各行は、5 つのフィールドを持っています。

[Current Disk Partitions] セクションをスクロールすると、「要求されたパーティションを作成できません」 というタイトルバーと、これに続く一つまたは複数のパーティションが表示される場合があります。これらは、要求されたものの何らかの理由のために作成されていないパーティションです。未設定のパーティションが存在するというメッセージが表示される主な理由として、そのパーティションの空き領域が少ないことが考えられます。いずれにしても、パーティションのマウントポイントの後に、パーティションが割り当てられていない理由が表示されます。

[Drive Summaries] セクション

ドライブ情報 セクションの各行は、システムのハードディスクを表しています。各行には次のようなフィールドがあります。

注意注意:
 

[Drive Summaries] セクションは、コンピュータのディスク構成を示すためにのみ表示されます。所定のパーティション作成のためにターゲットドライブを指定する手段として使用するものではありません。そのことの詳細については、「 パーティションを一つ追加する 」 で説明しています。

Disk Druid のボタン

以下のボタンによって Disk Druid のアクションが制御されます。これらのボタンは、パーティションの追加および削除、パーティション属性の変更のために使用されます。さらに、変更内容を受け付けるためのボタン、または Disk Druid 全体を終了するためのボタンもあります。各ボタンを順番に説明します。

便利なファンクションキー

Disk Druid における変更内容をすべて破棄するには、F5 (リセット) を使用します。そうするとハードディスク (群) のパーティションテーブル (群) から読み込んだパーティション一覧に戻ります。このキーを選択すると、変更内容を破棄するか否かを確認するように求められます。破棄すると指定したマウントポイントがすべて失われるので、再入力する必要があることに注意してください。

注意注意:
 

少なくとも一つのパーティションを、またオプションとしてさらにいくつかを Red Hat Linux 専用にする必要があります。そのことの詳細については、「 パーティションの数 - 付録 B 」 で説明しています。

パーティションを一つ追加する

新たにパーティションを追加するには、[Add] ボタンを選択してから Space または Enter を押します。そうすると、[Edit New Partition] ダイアログ (「図 10-16」) が表示されます。

図 10-16. [Edit New Partition] ダイアログ

この画面には、以下のフィールドが含まれています。

パーティションを追加する場合の問題

注意注意:
 

パーティションの追加で問題が発生した場合は、「付録 B 」、[An Introduction to Disk Partitions] を参照して解決方法を見つけてください。

パーティションを追加しようとしても、Disk Druid が要求を実行できない場合は、「図 10-17 」のように、その時点で未割当のパーティションと、未割当である理由を含むダイアログボックスが表示されます。続行するには、[OK] ボタンを選択してから Space を押します。未割当のパーティション (群) は、Disk Druid のメイン画面上にも表示されることに注意してください ( [Current Disk Partitions] セクションを参照するためにスクロールする必要があるかもしれません)。

図 10-17. [Unallocated Partitions] ダイアログ

パーティションの編集

パーティションのマウントポイントを変更するには、[Current Disk Partitions] セクションでパーティションのマウントポイントをハイライトし、[Edit] ボタンを選択してから Space を押します。[Edit Partition] ダイアログは、「図 10-16 」に示したダイアログと類似しています。違いは、マウントポイントを除くすべてのフィールドが読み込み専用であることです。他の値を修正するには、いったんパーティションを削除し、再度新しい値を使用して追加してください。

図 10-18. [Edit Partition] ダイアログ

パーティションの削除

パーティションを削除するには、[Current Disk Partitions] セクションでパーティションをハイライトし、[Delete] ボタンを選択してから Space を押します。本当に削除するかどうかの確認を求められます。

作業が終了したら

パーティションの設定とマウントポイントの入力が完了すると、画面は 「図 10-19 」のようになるはずです。

図 10-19. [Current Disk Partitions] ダイアログ

[Choose Partitions to Format] ダイアログ

次に、どのパーティションをフォーマットするのかを選択します (「図 10-20」)。新規作成したパーティションと、古いデータを含むパーティション (保存しておきたいデータが含まれていない場合) のフォーマットを行わなければなりません。

図 10-20. フォーマットするパーティションの選択

注意注意
 

/home または /usr/local のようなパーティションがすでに存在していて、保存しておきたいデータが含まれている場合は、それらのパーティションをフォーマットの対象として選択しないでください。

フォーマットするパーティションを選択したら、Space を押します。各ファイルシステムのフォーマット中に不良ブロックをチェックしたい場合は (古いディスクドライブの場合にお奨めします)、[Check for bad blocks during format] を選択します。[OK] を選択し、Space を押します。

fdisk の使用法

カスタムクラスのインストールを選択した場合は、使用するディスクパーティショニングアプリケーションも選択してください。fdisk を選択した場合にのみ、このセクションを参照してください。

fdisk を選択すると、 [Partition Disks] ダイアログボックスが表示されます (「図 10-21」)。このボックスには、コンピュータ上のディスクの一覧が含まれています。

Tab および矢印キーおよび矢印キーを使用してパーティショニングを行うディスクをハイライトし、[Edit]を選択してから Space を押します。

次に [fdisk] と入力すれば、選択したディスクのパーティショニングを行うことができます。このプロセスを、パーティショニングを行う各ディスクについて繰り返します。終了したら、[Done] を選択します。

図 10-21. [Disk Setup] ダイアログ

fdisk の概要

fdisk には、簡潔ではあるものの役に立つオンラインヘルプが含まれています。以下にヒントを示します。

  • ヘルプを参照するためのコマンドは m です。

  • 現在のパーティションテーブルをリストするには、p コマンドを使用します (「図 10-22」 を参照)。

  • 新しいパーティションを追加するには、n を使用します。

  • Linux の fdisk は、デフォルトで Linux native というタイプのパーティションを作成します。スワップパーティションを作成する場合は、忘れずに t コマンドを使用してタイプを Linux swap に変更してください。Linux swap タイプの値は 82 です。その他のパーティションタイプについては、l コマンドを使用して、パーティションのタイプと値の一覧を参照してください。

  • Linux では、1 台のディスク上に 4 つまでのパーティションを作成することができます。それ以上のパーティションを作成したい場合は、4 つのうちの一つ (かつ唯一) を拡張パーティションとすることができます。拡張パーティションは、一つまたは複数の論理パーティションのコンテナの役割を果たします。コンテナの役割を果たすため、拡張パーティションの大きさは、少なくとも内包する論理パーティションの合計サイズと同じ大きさでなければなりません。

  • パーティションを作成する際には、どのパーティション (たとえば /dev/hda2) をどのファイルシステム用 (たとえば /usr) にするのかを書き留めておくと良いでしょう。

注意注意:
 

変更内容を保存し、w コマンドによって fdisk を終了した後でなければ、変更内容が有効にならないことに注意してください。q コマンドを使用すれば、変更内容を保存せずに、いつでも fdisk を終了することができます。

図 10-22. fdisk からの出力例

パーティションテーブルの変更

ディスクのパーティショニングが終了したら、[Done] を押します。そうすると、インストールプログラムをリブートする必要があることを示したメッセージが表示されます。通常は、ディスクのパーティションデータを変更する、つまりパーティションの作成、既存のパーティションの変更または削除を行うと、このようなメッセージが表示されます。[OK] を押すと、マシンがリブートしてインストールが再開されます。[Partition Disks] ダイアログに至るまでは、これまでに実行したものと同じインストールステップを繰り返します。その後で [Done] を選択します。