Chapter 1. インストールを始める前に

本章では、Red Hat Linux のインストールの準備方法について説明します。2 つのメインセクションに分かれます。

Red Hat Linux のインストールはとても簡単ですが、準備に時間をかけることで、さらにスムーズに事が運ぶことになります。本章では、インストールに先立って実行する必要のあるステップについて説明します。

注意注意:
 

現時点で Red Hat Linux 2.0 (またはそれ以降) を使用している場合は、アップグレードを実行することができます。本章をざっと読んで基本事項を再確認し、次にChapter 2 を参照して、その指示にしたがって作業を進めてください。アップグレード手順は、インストール手順と同じように開始されます。アップグレードを実行することにした場合は、Chapter 5 を参照してください。

経験のあるユーザで、基本事項を再確認する必要がない場合は、Chapter 2 まで進み、インストールを開始することができます。

ティップヒント
 

質問に対する答え、および以前のインストール中またはインストール後に発生する可能性のある障害については、「Red Hat Frequently Asked Question」を参照してください。オンライン FAQ は以下のサイトにあります。 http://www.redhat.com/support/docs/faqs/rhl_general_faq/FAQ.html

準備のための 7 つのステップ

Red Hat Linux のインストールに先立って実行する必要のあるステップが 7 つあります。

ステップ 1 - 手元に正しい Red Hat Linux がありますか?

Official Red Hat Linux のボックスをお持ちの場合は、準備完了です。ただし、時にはミスも発生しますから、ちょうど良い機会でもあるのでボックスの内容をもう一度チェックしてください。

Red Hat Linux ボックスには、登録カード が含まれています。そのカードの裏面にボックスの内容が書かれています。この内容と照合することで、ボックスに含まれるディスケットとマニュアルがすべて揃っていることを確認してください。

Red Hat, Inc. (またはそのディストリビュータ) から Official Red Hat Linux ボックスを購入したにも関わらず、リストされた項目の中に足りないものがある場合は、弊社にお知らせください。お問い合わせ先の情報も 登録カード に記載されています。

お持ちのものがボックスセットでない場合でも問題ありません。

もちろん、誰もが Red Hat Linux ボックスを購入する訳ではありません。他社が作成した CD を使用しても、あるいは FTP 経由でも Red Hat Linux をインストールすることはまったく可能です。そのような場合は、開始するにあたって一枚または複数毎のディスクを作成する必要があるかもしれません。

FTP 経由のダウンロードとインストールについては、以下のサイトを参照してください。 http://www.redhat.com/download/howto_download.html.

Red Hat 社製ではない CD-ROM から Red Hat Linux をインストールする場合は、ブートディスクが必要です。インストール中に PCMCIA デバイスを使用する場合 (ラップトップなど) は、PCMCIA ブートディスクが必要です。CD から直接にインストールを開始することも可能です。この点については、各種のインストール方法を説明する際に詳しく説明します。

ディスケットの作成方法については、 インストールディスケットの作成 を参照してください。

ステップ 2 ご使用のハードウェアは Red Hat Linux 6.2J との互換性を持っていますか?

古いシステムまたは自作のシステムを使用するユーザにとっては、ハードウェアの互換性が重要です。 過去二年の間に工場生産されたシステムに含まれるハードウェアであれば、ほとんどは Red Hat Linux 6.2J との互換性があるはずです。ただし、ハードウェア仕様は毎日のように変化し、進歩しているため、すべてのハードウェアと 100% の互換性を保証するのは困難です。

まずは、Red Hat のオンラインリソースを使用して、ご使用のハードウェアが互換性を持っている、あるいはサポート対象になることを確認してください。ハードウェア互換性リストは、以下のサイトにあります。 http://www.redhat.com/hardware.

次に、可能な限りシステムハードウェア情報を収集してください。そのための説明は、『Official Red Hat Linux リファレンスガイド』 の 「インストールに関わるリファレンス (Windows ユーザ用の説明を含む)」 にあります。本章の最後にあるシステム要件テーブル ( システム要件テーブル を参照) に記入して、インストール中に参照してください。

ステップ 3 - Errata をチェックしましたか?

ほとんどの場合にはインストール前に errata をチェックする必要はありませんが、チェックしておくのも良いことです。

Red Hat はアップデートされたディスケットイメージ、マニュアル、およびその他の便利な errata ダウンロードデータを提供しています。

Errata の参照方法は 2 種類あります。

  1. オンライン -- http://www.redhat.com/support/errata; オンラインで参照できる errata を提供しています。ダウンロードディスケットイメージも簡単にダウンロードできます。

  2. 電子メール -- 空のメールメッセージを に送信すると、インストールプログラムおよびソフトウェアそのものに関する完全な errata のテキスト一覧が記述された電子メール (その時点で errata が存在すれば) を受け取ることができます。また、errata においてアップデートされたパッケージおよびディスケットイメージへの URL も含まれます。それらの URL を使用すれば、必要なディスケットイメージをダウンロードすることができます。注意:ディスケットイメージを転送する際には、バイナリモードを使用してください。

時にはインストールが失敗することもあります。そのような場合には、インストールを正しく行うために改訂版のディスケットイメージが必要です。その場合は、Red Hat Linux errata 一覧を通じて特別なイメージを公開しています。

これは比較的まれなことなので、まずは標準のディスケットイメージを試した方が時間の節約になります。インストールの実行時に障害が発生した場合に限って、errata を参照してください。

障害が発生した場合は、新しいディスケットイメージ (ファイル名の最後は常に .img です) を含むエントリをフォーカスしてください。発生した障害に当てはまるエントリが見つかったら、ディスケットイメージのコピーを入手し、 インストールディスケットの作成 に記載された指示にしたがってイメージを作成します。

文書の errata も利用可能です。文書 errata 対して重要な変更が行われた場合は、オンラインの errata も確実にアップデートされます。文書のアップデート情報は、以下のサイトで見つかります。 http://www.redhat.com/support/errata/doc_errata/.

ステップ 4 - ディスク容量は十分ですか?

今日のオペレーティングシステムは、ほぼすべてがディスクパーティションを使用しています。Red Hat Linux も例外ではありません。Red Hat Linux のインストール時には、ディスクパーティションに関した作業を行う必要があるかもしれません。ディスクパーティション関連の作業を行ったことがない (または基本概念をざっと参照したい) 場合は、作業を進める前に 『 Official Red Hat Linux リファレンスガイド』 の付録にある「 ディスクパーティションの方法」 を参照してください。

Red Hat Linux がシステム上の唯一の OS となるような 「全く新規の」 インストールを行うのではない場合、およびアップデートを実行するのではない場合は、インストール用に使用できる十分なディスク領域がハードディスクドライブ上にあることを確認する必要があります。

このディスク領域は、インストール済の他の OS、たとえば Windows、OS/2、あるいは別のバージョンの Linux、が使用するディスク領域とは別個のものでなければなりません。そのために一つまたは複数のパーティションを Red Hat Linux 専用にします。

インストールプロセスを開始する前に、以下のいずれかの条件が満たされなければなりません。

  • コンピュータに、Red Hat Linux のインストールで使用できる、パーティションの設定されていない十分なディスク領域があること。

  • Red Hat Linux をインストールするためのディスク領域を確保するために、削除して解放してもかまわない、一つまたは複数のパーティションがあること。

  • 既存のフォーマット済 FAT パーティションがあって、パーティションレスインストールによってインストールを実行すること (付録 B )。

必要な容量に関する参考として、以下にインストール方法とそれぞれの場合の容量の最低要件をリストします。パーティションレスインストールに関する要件も含まれます。

  • GNOME ワークステーション - 700MB

  • KDE ワークステーション - 700MB

  • サーバ - 1.7GB

  • カスタム (すべて を選択した場合) - 1.7 GB

これのインストールクラスについての詳細は、 ステップ 7 - どのインストールタイプが最適ですか? を参照してください

それらの条件が満たされるかどうかが確かではない、または Red Hat Linux をインストールするために領域を解放する方法を知りたい場合は、『Official Red Hat Linux リファレンスガイド』 の付録を参照してください。

ステップ 5 - Red Hat Linux をどのようにインストールしますか?

次に、どのタイプのインストール方法が最適なのかを判断しなければなりません。以下のオプションがあります。

CD-ROM

Red Hat Linux 6.2J のボックス (または Red Hat Linux CD-ROM )をお持ちで、かつ CD-ROM ドライブがある場合。 この方法では、ブートディスケット、ブート可能 CD-ROM または PCMCIA ブートディスケットが必要です。

ハードディスクドライブ

Red Hat Linuxファイルをローカルハードディスクドライブにコピーしてある場合。この方法では、ブートディスケットまたは PCMCIA ブートディスケットが必要です。

NFS イメージ

Red Hat LinuxCD-ROM またはRed Hat Linuxのミラーイメージをエクスポートする NFS ーバからインストールする場合。ネットワークブートディスケットまたは PCMCIA ブートディスケットが必要です。

FTP

FTP サーバから直接インストールする場合。ネットワークブートディスケットまたは PCMCIA ブートディスケットが必要です。

HTTP

HTTP ウェブサーバから直接インストールする場合。ネットワークブートディスケットまたは PCMCIA ブートディスケットが必要です。

ステップ 6 - どのようにインストールを開始しますか?

ステップ 5 で選択したインストール方法にしたがって、インストールプロセスの開始方法を選択しなければなりません。どのブートメディアを使用しますか?

ブート可能 CD-ROM

CD-ROM ドライブからのブートが可能な場合は、Red Hat Linux CD-ROM を使用してインストールプログラムをブートし、ローカル CD-ROM によるインストールを実行することができます。

ローカルメディアブートディスケット

Official Red Hat Linux 6.2J のボックスを購入した場合は、ボックス内にローカルブートディスケットがあります。CD-ROM ドライブがブート可能ではない場合の CD-ROM からのインストール、またはハードディスクドライブからのインストールの場合に、このディスケットを使用することができます。

ネットワークブートディスケット

FTP、HTTP、または NFS 経由のインストールを実行する場合は、独自のネットワークブートディスケットを作成しなければなりません。ネットワークブートディスケットイメージファイルは bootnet.img で、Red Hat Linux/Intel CD の images ディレクトリの中にあります。

PCMCIA ブートディスケット

以下のチェックリストを、PCMCIA ブートディスケットを作成する必要があるかどうかを判断する際の参考にしてください。

  • CD-ROM から Red Hat Linux をインストールし、かつ CD-ROM ドライブが PCMCIA カード経由でコンピュータと接続している場合は、PCMCIA ブートディスケットが必要になります。

  • インストール中に PCMCIA ネットワークアダプタを使用する場合は、PCMCIA ブートディスケットが必要になる可能性があります。

必要な場合は、PCMCIA ブートディスケットを作成しなければなりません。PCMCIA ブートディスク用イメージファイルは pcmcia.img で、Red Hat Linux/Intel CD の images ディレクトリの中にあります。

インストールディスケットの作成

イメージファイルからディスケットを作成する必要がある場合があります。たとえば、Red Hat Linux の errata ページから入手した、アップデート済のディスケットイメージを使用したり、ブートディスケットを作成したりする必要があるかもしれません。

イメージファイルには、ディスケットの内容の正確なコピー (またはイメージ) が含まれています。ディスケットには、ファイルに含まれるデータに加えてファイルシステム情報も含まれるため、ディスケットへの書き込みを行うまではイメージファイルを使用することができません。

まず、空のフォーマット済、1.44 MB の 3.5 インチのディスケットが必要です。3.5 インチディスケットドライブを使用してコンピュータにアクセスし、MS-DOS プログラム、またはほとんどの Linux 系オペレーティングシステムで使用する dd ユーティリティを実行できる必要があります。

Red Hat Linux CD の images ディレクトリには、Red Hat Linux/Intel 用のブートイメージが含まれています。

適当なイメージを選択したら、イメージファイルをディスケットに転送しましょう。

MS-DOS 上でのディスケット作成

MS-DOS 上でディスケットを作成するには、Red Hat Linux CD の dosutils ディレクトリの中にある rawrite ユーティリティを使用します。まず、空のフォーマット済 3.5 インチディスケットに適当なラベルを貼り付けます (たとえば、「ブートディスケット」または「アップデートディスケット」)。そのディスケットをドライブに挿入します。次に、以下のコマンドを使用します (CD-ROM ドライブが d: であるとします)。

C:\> d:
D:\> cd \dosutils
D:\dosutils> rawrite
Enter disk image source file name: ..\images\boot.img
Enter target diskette drive: a:
Please insert a formatted diskette into drive A: and
press --ENTER-- : Enter
D:\dosutils>

まず rawite はディスケットイメージのファイル名を入力するように指示します。そこで、書き込むイメージのディレクトリと名前を入力します (たとえば、..\images\boot.img)。 次に、rawite はイメージの書き込み先ディスケットドライブを入力するように指示します。そこで、a: と入力します。最後に、rawrite は、指定したドライブの中にフォーマット済のディスケットがあることを確認するように指示します。Enter を押して確認すると、rawrite はイメージファイルをディスケットにコピーします。別のディスケットを作成する必要がある場合は、そのディスケットにラベルを貼り付けてから、適当なイメージファイルを指定して rawrite を再度実行します。

Linux 系 OS 上でのディスケット作成

Linux (またはその他の Linux 系オペレーティングシステム) 上でディスケットを作成する場合は、3.5 インチディスケットを表すデバイス (Linux では 3,5 /dev/fd0 とされています) に対する書き込み権限を持っていなければなりません。

まず、空白のフォーマット済ディスケットに適当なラベルを貼り付けます (たとえば、「ブートディスケット」、「アップデートディスケット」)。それをディスケットドライブに挿入します (ただし、 mount コマンドは必要ありません)。Red Hat Linux CD をマウントしたら、目的のイメージファイルを含むディレクトリに切り換えて、以下のコマンドを使用します (適宜イメージファイル名とディスケットデバイスを変更してください)。

# dd if=boot.img of=/dev/fd0 bs=1440k

別のディスケットを作成する必要がある場合は、そのディスケットにラベルを貼り付けてから、適当なイメージファイルを指定して dd を再度実行します。

ステップ 7 - どのインストールタイプが最適ですか?

Red Hat Linux には 4 つの異なるクラス、つまりインストールのタイプが含まれます。それらは以下のものです。

  • ワークステーション -- Linux の世界は初めてであり、試してみようというユーザにとっては、ワークステーションクラスが最適なインストール方法です。わずかな質問に答えるだけで、すぐにも Red Hat Linux を実行することができます。

  • サーバ -- システムを Linux ベースのサーバとして機能させたい、かつシステム設定を余りカスタマイズしたくないというユーザにとっては、サーバ クラスが最適なインストール方法です。

  • カスタム -- カスタム クラスのインストール方法を使用すれば、最も柔軟なインストールを行うことができます。パーティション構成やインストールするパッケージその他を選択することができます。カスタム クラスのインストール方法は、Red Hat Linux のインストールに慣れているユーザ、および完全な柔軟性が損なわれることを恐れるユーザにとって最適です。

  • アップグレード -- システム上ですでに動作している Red Hat Linux 2.0 (またはそれ以降) を素早く最新のパッケージとカーネルバージョンへとアップデートしたい場合は、アップグレードが最適です。

注意注意:
 

カスタム クラスのインストールを使用した場合に最も大きな柔軟性が得られます。ワークステーションおよびサーバ クラスのインストールでは、いくつかのステップを省略した自動的なインストールプロセスが実行されます。ただし、ワークステーションおよびサーバ クラスのインストールに対して、パーティション構成に関する柔軟性が追加されたので、ドライブのパーティショニングをマニュアルで行うことができるようになっています。

これらのクラスでは、インストールプロセスを簡略化するのか (設定の柔軟性が失われる可能性はあります)、インストールプロセスはいくらか複雑になりますが、柔軟性を保持するのかという選択肢が与えられます。各クラスを詳細に検討して、どちらが適しているのかを判断してください。

注意注意:
 

パーティションレスインストールを実行するつもりの場合は、どのクラスのインストールを実行するのかを選択する必要があります。ただし、通常のインストールを実行するユーザに警告する場合とは異なり、システムに関して何らかの情報を失うことを恐れる必要はありません。パーティションレスインストールでは既存パーティションが削除されることはありません。

ワークステーション クラスのインストール

  • GNOME ワークステーション -- 主としてワークステーションとして使用するシステムへのインストールです。GNOME GUI がロードされ、システムブート時に GNOME が起動されるようにシステム設定が行われます。マニュアルによるパーティショニングを行わないことにした場合、インストールプログラムは既存の Linux パーティションに含まれるすべてのデータを削除し、新しいバージョン用のディスクのパーティショニング方法を決定し、どのソフトウェアパッケージをロードするのかを選択します。

  • KDE ワークステーション -- 主としてワークステーションとして使用するシステムへのインストールです。KDE GUI がロードされ、システムブート時に KDE が起動されるようにシステム設定が行われます。マニュアルによるパーティショニングを行わないことにした場合、インストールプログラムは既存の Linux パーティションに含まれるすべてのデータを削除し、新しいバージョン用のディスクのパーティショニング方法を決定し、どのソフトウェアパッケージをロードするのかを選択します。

注意注意:
 

以前の ワークステーション クラスのインストールとは異なり、Red Hat Linux 6.2J ワークステーション クラスのインストールを実行しても、ネットワークデーモン inetd はインストールされません。inetd がインストールされないため、システムはより安全になります。ただし、fingerftelnettalk、および FTP などのネットワーク関連サービスは機能しません。このようなタイプのサービスが必要な場合は、サーバ クラスまたは カスタム クラスのインストールを選択してください。

何が行われるのでしょう?

マニュアルによるパーティショニングを行わないことにした場合、ワークステーション クラスのインストールでは、インストール済のすべてのハードディスクドライブ上のすべての Linux 関連パーティションが削除されて、以下のパーティションが作成されます。

  • 64 MB swap パーティション

  • すべてのファイルを保存するための可変 (正確なサイズは、利用可能なディスク領域によって異なります) サイズのルートパーティション (/ としてマウント) 。

  • Linux カーネルおよび関連ファイルを保存するための 16 MB のパーティション (/boot としてマウント)。

ディスクパーティショニングに対してこのアプローチを使用すれば、ファイルシステムの構成を最も単純にすることができます。

注意注意:
 

ワークステーション クラスのインストールでは、少なくとも 700 MB のディスク領域が必要になります。

システムに既に Windows (Windows 3.1/95/98/NT) がインストールされている場合、ワークステーションクラスのインストールでは、LILO (LInux LOader) を使用してデュアルブートするように、システムが自動的に設定されます。

注意注意
 

ワークステーション クラスのインストールでは、すべてのハードドライブ上のすべての既存 Linux パーティションが削除されます。また、別の OS がインストールされている場合は、自動的にデュアルブート環境の設定が試みられます。

サーバ クラスのインストール

サーバ クラスのインストールでは、システムブート時に、X Window System は設定されずGUI もロードされません。インストールプログラムによって、任意の種類のすべての既存パーティションに含まれるすべてのデータが削除され、新しいバージョン用のディスクパーティショニングの方法が決定され、ロードするソフトウェアパッケージが選択されます。

何が行われるのでしょう?

マニュアルによるパーティショニングを行わないことにした場合、Server クラスのインストールでは、すべてのインストール済ハードディスクドライブ上のすべての既存パーティションが削除されるので、保存しておきたいものが何もないと確信できる場合に限って、このインストールクラスを選択してください。インストールが完了すると、以下のパーティションが作成されます。

  • 64 MB swap パーティション

  • 256 MB パーティション (/ としてマウント)。

  • 最低 512 MB のパーティション (/usr としてマウント)。

  • 最低 512 MB のパーティション (/home としてマウント)。

  • 256 MB パーティション (/var としてマウント)。

  • Linux カーネルおよび関連ファイルを保存するための 16 MB のパーティション (/boot としてマウント)。

ディスクパーティショニングに対するこのアプローチを使用すると、サーバクラスのほとんどの作業に関してかなり柔軟なファイルシステム構成が得られます。

注意注意:
 

サーバ クラスのインストールでは、少なくとも 1,7GB MB のディスク領域が必要になります。

注意注意
 

サーバ クラスのインストールでは、すべての既存ハードドライブ上の任意のタイプのすべての既存パーティションが削除されます。Linux パーティションであるかどうかとは関係なく、すべてのドライブの情報と既存のオペレーティングシステムが削除されます。

カスタム クラスのインストール

名前からも分かるとおり、カスタム クラスのインストールでは、柔軟性を重視しています。カスタム クラスのインストールでは、ディスク領域のパーティショニング方法をユーザが選択することができます。また、システムにインストールするパッケージを自在に選択することができます。さらに、システムの起動時に LILO (LInux LOader) を使うかどうかも指定できます。

カスタム クラスインストールの舞台裏

このセクションでは、カスタム クラスのインストールを実行する場合にのみ行われるステップについて取り扱います。

これは、どのインストールクラスが最適なのかを判断しようとしているユーザの役に立ちます。以下の一覧に含まれる作業を実行するとトラブルが発生するだろうと考えるユーザは、本マニュアルを通読して疑問を明確にした上でなければ、カスタム クラスのインストールを実行すべきではありません。

  • パーティショニングの作成カスタム クラスのインストールでは、Red Hat Linux のインストール先を指定する必要があります。(ワークステーション クラスや サーバ クラスのインストールでもマニュアルによるパーティショニングというオプションが加わったため、これは カスタム クラスに固有のものでなくなっています。

  • パーティションのフォーマット -- 新規作成したパーティションをフォーマットしなければなりません。古い (不要な) データを含むパーティションのフォーマットを行う必要があります。(ワークステーション または サーバ クラスのインストールでマニュアルによるパーティショニングを選択した場合は、どのパーティションをフォーマットするのかを選択する必要があります。)

  • インストールパッケージの選択 -- これは、パーティションが設定され、フォーマット用の選択が行われた後で実行されます。ここでは、パッケージのグループ、個別のパッケージ、それら 2 つの組み合わせ、あるいは「すべて」をインストールするように選択することができます。

  • LILO の設定 -- カスタムクラスのインストールの場合は、LILO のインストール先として -- マスタブートレコード (MBR) またはルートパーティションの先頭セクタ -- を選択したり、あるいは LILO をまったくインストールしないように選択したりすることができます。

システムのアップグレード

Red Hat Linux 2.0 (またはそれ以降) をアップグレードする場合、既存のデータは削除されません。 インストールプログラムはモジュール形式の 2.2.X カーネルおよびインストール済のすべてのソフトウェアパッケージをアップデートします。これらの説明については、Chapter 2 およびChapter 5 を参照してください。